三菱化工機が二酸化炭素回収装置の実証試験を川崎製作所内で開始
PSA方式で水素製造時の排ガスから95%超濃度の二酸化炭素を回収
三菱化工機は、水素製造時に排出する二酸化炭素の低減に向け2024年6月、二酸化炭素回収装置の実証機を川崎製作所内に据え付け、7月より実証試験を開始した。本装置で様々な実証試験を行い、得られたデータを元にCO2を高効率で回収できる装置の早期実用化を目指す。
石油や天然ガスといった化石資源を原料とする水素は、その製造過程においてあわせて二酸化炭素が発生する。カーボンニュートラルの観点からは、製造過程で発生する二酸化炭素を回収し、大気中の二酸化炭素を増やさないように処理する取り組みが重要になる。
今回設置した二酸化炭素回収装置はPSA(Pressure Swing Adsorption)方式で二酸化炭素を回収する実証機。水素製造時に発生するCO2を含む排ガスから95%を超える濃度の二酸化炭素を回収できるように設計されており、三菱化工機の小型水素製造装置「HyGeia(ハイジェイア)」と組み合わせて使用するケースやその他の各種燃焼設備と組み合わせて使用するケースを想定している。
このほか、三菱化工機は二酸化炭素の回収に関する研究として、CO2分離用分子ゲート膜と組み合わせる水素製造装置の開発を、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成金を活用してMGM組合と共同実施している。
参考プレスリリース:三菱化工機と次世代型膜モジュール技術研究組合の共同提案がNEDOの助成事業に採択・事業開始 CO2分離用分子ゲート膜を利用したCO2分離回収型水素製造装置の実用化を目指す
(https://www.kakoki.co.jp/news/2024/05/nedoco2co2.html)