高圧ガス工業 2025年3月期第1四半期連結決算

ガス事業の売上高172億9600万円(7.0%増)、営業利益15億5300万円(16.8%増)

 高圧ガス工業の2025年3月期第1四半期連結決算は、売上高236億6500万円(前年同期比6.3%増)、営業利益15億2900万円(同15.3%増)、経常利益20億5200万円(同17.8%増)、親会社株主に帰属する純利益13億8800万円(同12.8%増)だった。通期業績予想と年間配当金予想に変更はない。

 セグメント別の経営成績は次のとおり。

ガス事業

 売上高は172億9600万円(前年同期比7.0%増)、営業利益は15億5300万円(同16.8%増)。

 鉄鋼、自動車、建設など仕向け先において、需要回復が鈍く、厳しい状況で推移した。シリンダーガスビジネスの持続的な成長や収益の改善を目指し、地域に密着した営業に努めた。
 『溶解アセチレン』は、浸炭向けに一部需要が増加したものの、建設及び造船業界向けに需要が減少したが、価格改定により、売上高は前年同期を上回った。
 『その他工業ガス等』は、LNGが新規獲得により増加した。窒素、アルゴンが充填所及び大手ユーザー向けに需要が減少、炭酸が製造メーカーの原料出荷制限、LPガス等は需要の減少により、それぞれ減少したが、価格改定及びLPガス等の輸入価格の上昇により、売上高は前年同期を上回った。
 『溶接溶断関連機器』は、設備工事や工作機械等の受注が一部回復し、売上高は前年同期を上回った。
 『容器』は、水素用長尺容器の新規獲得や消火設備装置向け容器の需要が増加し、売上高は前年同期を上回った。

化成品事業

 売上高は54億4300万円(前年同期比7.3%増)、営業利益は3億3100万円(同37.1%増)。

 円安影響やナフサ価格の上昇による原材料価格の高騰が続く厳しい状況で推移した。仕向け先への製品の安定供給に努め、また、新しい技術開発により、環境配慮型水性接着剤や高耐候性塗料など環境にやさしい製品や付加価値の高い製品づくりに努めた。
 『接着剤』は、ペガールは塗料用・木工用が減少したが、土木用の新規案件の獲得や建材用・紙用の需要回復により増加。シアノンは南米向けが減少したが、韓国・フィリピン向けの需要回復とタイ向けの新規案件の獲得により増加した。ペガロックは中国経済低迷の影響を受け減少。売上高は接着剤全般の原材料価格の高騰に伴なう価格改定もあり、前年同期を上回った。
 『塗料』は、建築用塗料の戸建塗替え需要の低迷が続いているが、「ウォールバリアシリーズ」「ビーズコートシリーズ」等の高機能製品が伸長し、エアゾール製品は防水スプレーが伸長により、売上高は前年同期を上回った。

その他事業

 売上高は9億2400万円(前年同期比8.9%減)、営業損失は2200万円(前年同期は500万円の営業損失)。

 LSIカード関連及び食品添加物の需要が減少し、前年同期を下回った。