エア・ウォーターグループの(株)リモハブが、遠隔心臓リハビリシステム薬事承認申請を実施

大阪大学大学院医学系研究科の研究グループが遠隔心臓リハビリの治験完了

 エア・ウォーターグループの株式会社リモハブ(本社:大阪市淀川区、谷口 達典 代表取締役社長)は、大阪大学大学院医学系研究科が2020年から開始した「心臓リハビリテーションの適応となる心疾患患者を対象としたRH-01の有効性及び安全性を検証する多施設共同無作為化並行群間比較試験」の結果導出を受け、薬事承認申請を実施した。遠隔心臓リハビリシステムの実用化を目指し、社会実装に向けた準備を進める。

 心疾患患者に対し有効であるとされる心臓リハビリテーション※1について、多くの患者は頻回に通院しリハビリテーションを受けることが難しいという課題を抱えていた。研究グループはその課題に対し、在宅でも心臓リハビリテーションを行うことができるよう、大阪大学発の医療機器スタートアップ企業であるリモハブと共同で遠隔心臓リハビリシステムを開発した(図1)。

図1: 遠隔心臓リハビリシステムのイメージ図

 今回、大阪大学大学院医学系研究科の坂田泰史教授(循環器内科学)らの研究グループは、オンラインでのモニタリングを行うリハビリテーションシステムRH-01の治験を完了、本治験をもとに、リモハブが薬事承認申請を実施した。遠隔心臓リハビリテーションが実現されれば、心臓リハビリテーションの実施率が向上し、これにより、患者のQOLの向上、家族の介護負担の軽減、再入院率の低下による社会保障費の削減など、様々な社会課題の解決が期待されるとしている。

※1 心臓リハビリテーション:心疾患の患者が、家庭生活や社会生活にスムーズに復帰できるように、再増悪防止を目的として行う包括的プログラム。運動療法や生活指導・カウンセリングなどを含み、運動療法は、医療者の監視のもと、適切な負荷及び時間で実施される。

 エア・ウォーターは、リモハブの株式を株主のベンチャーキャピタルから譲り受けるとともに、リモハブが実施する第三者割当増資の引き受けにより、2022年3月11日付で同社発行済株式総数の63.2%を取得している。

エア・ウォーター2022年3月14日付ニュースリリース「遠隔・在宅医療のスタートアップ企業 株式会社リモハブの子会社化について」