エア・ウォーター、家畜ふん尿由来バイオメタンを雪印メグミルクに供給
年間使用量は約5万N㎥、CO2削減量は約100t‐CO2/年
エア・ウォーターは、LNG(液化天然ガス)の代替燃料となる家畜ふん尿由来「バイオメタン」を、雪印メグミルク株式会社(本社:東京都新宿区、佐藤 雅俊 代表取締役社長)大樹工場へ納入する。SDGs達成への貢献やCO2排出量削減の取り組みの一環として、地域企業との連携を深め、持続可能な未来の実現に貢献する。供給されるバイオメタン(ガス)は純度がメタン(CH4)約90%、使用量は年間約5万N㎥、CO2削減量は年間約100t‐CO2。
エア・ウォーターは家畜ふん尿由来バイオメタンの製造から販売に至るサプライチェーンを確立し、2024年5月に事業化した。今回、バイオメタンのさらなる活用を図るため、酪農家のバイオガスプラントにおいて精製したバイオメタンを、専用のガス吸蔵容器でガス体のまま輸送・供給する仕組みを構築し、2024年12月末より雪印メグミルク大樹工場へ供給を開始する。酪農家と燃料消費先の工場が近接地にある場合、より低コストでバイオメタンの活用が可能。今後、家畜ふん尿を有効活用したい酪農家とバイオメタンを活用したい需要家の双方のニーズを安定的に満たしながら、さらなる市場創出を図る。
供給先となる雪印メグミルク大樹工場では、乳資源(ホエイ)の有効活用のためメタン発酵設備が設置されており、そこから発生するバイオガスにエア・ウォーターが精製・供給するバイオメタンを混合させ、メタンガスボイラの燃料として利用することに成功した。2種類のバイオマス燃料を同時に使用するのは国内で初めての試み※。また、酪農家と同工場が立地する大樹町は2050年までに二酸化炭素排出実質ゼロを目指す「ゼロカーボンシティ」を宣言しており、町内の酪農家から産出されたバイオメタンを同工場で有効活用することで、地産地消の循環型モデルケースとなり、ゼロカーボンシティ実現へ貢献する。
※ エア・ウォーターが国内で唯一、家畜ふん尿由来のバイオメタンを製造していることから、国内初の事例となる。
(参考)エア・ウォーターグループのカーボンニュートラルに向けた取り組み
エア・ウォーターグループは、カーボンニュートラルをはじめとした地球環境問題への対応を「企業の社会的責任」としてだけではなく「成長の機会」につなげるため、自社の温室効果ガス(GHG)排出量を減らす「責務」と、製品・事業を通じた社会のGHG排出量削減への「貢献」の両面から、社会のカーボンニュートラル化に取り組む。
また、社会のGHG排出量削減に貢献する商材をリストアップし、技術開発を通じて製品ラインアップを拡充。今後は、再生可能エネルギーや省エネ設備などを含むこれらの製品を通じて、企業価値の向上と社会課題の解決につなる。