大陽日酸、2025年2月出荷分からヘリウムガスを20%以上値上げ

インフレによる長期契約価格の上昇や円安の影響で、原料コストが高騰

 大陽日酸は、2025年2月出荷分からヘリウムガスの出荷価格を現行価格に対して平均20%以上値上げする。対象製品は、ヘリウムガス関連製品でシリンダー、カードル、トレーラー、液体、混合ガス、特殊ガス。

 大陽日酸はヘリウムガスの原料を主にアメリカ、カタール等の生産国との長期契約(10~20年)に基づいて調達している。ヘリウムの安定供給のため、調達先の分散化や新しい調達先の開拓等を行うことで、サプライチェーンの強化に努めているが、世界的な需給の逼迫により調達コストが上昇したため、2022年8月と2023年2月に価格改定を行った。

 その後、ヘリウムの需給状況は一時期よりも緩和し、高コストのスポット調達も解消されたが、2022年度から2023年度にかけての需給逼迫期の影響で、新しい調達先との長期契約価格が大幅に上昇している。また、相対的にインフレ率の高い生産国の物価指数に連動する長期契約価格の上昇や、前回の価格改定以降の円安の影響もあり、ヘリウムガスの原料コストは著しく上昇している。

 大陽日酸では、こうしたヘリウム原料コストの上昇は、企業努力だけでは吸収しきれず、従来の価格を維持することが困難となっており、今回改めて価格を改定することを決定、グローバル競争における希少資源の継続的確保の観点からも、価格改定への理解を求めていくとしている。