エア・リキード、三菱マテリアル直島製錬所に大型空気分離装置(ASU)を建設

2027年操業予定、国内最大級の酸素製造プラントでレアガスも生産

 エア・リキードは、現在香川県直島で稼働中のプラントに替えて、新たな大型空気分離装置(ASU)建設への投資を決定した。三菱マテリアルとの長期的パートナーシップに基づく同ASUは、電気自動車、次世代通信技術、再生可能エネルギーの活用により、需要の高まる銅に対する三菱マテリアルの生産増強計画を支援する。

 新ASUプラントの製造能力は、1日あたり最大1,400トン。酸素および窒素に加え、アルゴンとネオンも生産し、半導体製造、輸送機器製造、建設工事など日本の主要産業に不可欠なレアガスの安定供給に貢献する。

 エア・リキードは、同ASUを自社工場として三菱マテリアル直島製錬所に建設、運営する。2027年の操業開始を予定し、エア・リキードの設備としては、日本国内最大級かつ最新鋭の酸素製造プラントとなる。

 国内ではネオンは現在、その供給の100%を輸入に依存する。そのため、今回のプロジェクトは、その戦略的重要性が認められ、経済産業省から助成金の交付を受ける。半導体製造向けにネオンの国内生産を実現するというエア・リキードの取り組みが、国内での半導体製造に必要な供給網の確保に貢献するものと評価されている。

 エア・リキード、アジア太平洋担当グループバイスプレジデントのロニー・チャルマーズ氏は「三菱マテリアル様とのパートナーシップを継続できましたことを喜ばしく思います。このたび建設するプラントは、エア・リキードの技術を結集し、同社の事業発展に貢献するとともに、半導体製造に不可欠なネオンの国内供給を強化します。本プラントは、エア・リキードが掲げるADVANCE計画に沿い、大規模な酸素製造設備を活用することで、戦略的に重要なアルゴンとネオンの併産を可能にするものであり、ご支援をいただいた日本政府に深く感謝申し上げます」とコメントしている。