エア・ウォーター、グループ防府工場内にオンサイトPPAスキームによる4MW級メガソーラー発電設備を導入
産業ガスプラントでオンサイト型再生可能エネルギー電源活用は国内初、年間約4千トンの温室効果ガス排出量削減
エア・ウォーターグループは、伊藤忠エネクスと自家消費型太陽光発電サービス「TERASELソーラー」による電力購入契約を締結し、産業ガスプラントやファインケミカル素材製造工場が立地する防府工場(山口県防府市)内に、オンサイトPPAスキーム※1を活用して4MW級のメガソーラー発電設備を導入する。2025年3月に着工、同年12月より稼働を開始する予定。産業ガス(エアセパレートガス)プラントへのオンサイトPPAスキームによる大規模太陽光発電設備の導入は国内初※2。
※1:需要家敷地内に第三者が発電設備を設置し、当該発電設備で発電した電力を自営線で需要家に送電するスキーム
※2:エア・ウォーター調べ
エア・ウォーターグループは、カーボンニュートラルの実現に向けて、自社の温室効果ガス(GHG)排出量を減らす「責務」と、製品・事業を通じた社会のGHG排出削減への「貢献」の両面から取り組みを推進している。その一環として、2026年度までに太陽光発電の導入設備容量10MWを目指す。
産業ガスは電力を多量に消費して空気を分離し製造を行うことから、電力の脱炭素化が大きな課題となっている。防府工場へのメガソーラー導入により、エア・ウォーターグループとして年間約4千トンの温室効果ガス(GHG)排出量削減を見込む。また、防府工場で製造された産業ガスやファインケミカル素材を利用する顧客のGHGプロトコル スコープ3※3削減にも貢献する。将来的にはマスバランス方式※4を活用して、当該メガソーラー由来の再生可能エネルギー電力を特定製品の製造に紐づけし、製造時におけるCO2排出を実質ゼロにした製品群の拡充も検討する。
グループは、オンサイトPPAスキームのみならず、エア・ウォーターグループの総合力を活用し、垂直型太陽光発電システム「VERPA」の導入拡大、大規模な再エネ導入が可能なオフサイトPPAスキーム※5の活用等も積極的に検討し、カーボンニュートラルの実現に向けて取り組む。
※3:当該事業者の活動に関連する、他社の温室効果ガス排出量
※4:バイオマス原料やリサイクル原料などの使用によって削減した製造拠点のCO2排出削減効果を、特定の製品に割り当てることができる仕組み
※5:需要家敷地外に第三者が発電設備を設置し、当該発電設備で発電した電力を一般送配電事業者が管理する系統を用いて需要家に送電するスキーム
経緯・目的
山口県防府市にはエア・ウォーターおよび、グループの㈱FILWEL、エア・ウォーター・パフォーマンスケミカル㈱が製造拠点を有する。これまで、FILWELが工場内に保有する約35,000平方メートルの遊休地について、カーボンニュートラルに資する有効活用方法を検討してきたが、メガソーラー発電所を建設し、工場構内の各事業所において、発電した電力を自家消費することが最も有効であると結論付けた。
設備保有リスク等も勘案した結果、伊藤忠エネクスの提供する自家消費型太陽光発電サービス「TERASELソーラー」を活用してメガソーラー発電設備を導入し、生み出した再生可能エネルギー電力をオンサイトPPAスキームでエア・ウォーターおよびグループ会社が調達する。
導入設備概要
- 施設名:エア・ウォーター㈱ 防府工場、㈱FILWEL、エア・ウォーター・パフォーマンスケミカル㈱ 防府工場
- 所在地:山口県防府市鐘紡町3番1号
- 導入設備:DC容量 合計3.8MW
- CO2削減見込:約4千トン/年
- 購入電力削減見込:約17%
- スケジュール:着工 2025年3月、運用開始時期 2025年12月
(参考)エア・ウォーターグループのカーボンニュートラルに向けた取り組み
エア・ウォーターグループは、カーボンニュートラルをはじめとした地球環境問題への対応を「企業の社会的責任」としてだけではなく「成長の機会」につなげるため、自社の温室効果ガス(GHG)排出量を減らす「責務」と、製品・事業を通じた社会のGHG排出量削減への「貢献」の両面から、社会のカーボンニュートラル化に取り組んでいる。
また、社会のGHG排出量削減に貢献する商材をリストアップし、技術開発を通じて製品ラインアップの拡充に努める。今後は、再生可能エネルギーや省エネ設備などを含むこれらの製品を通じて、企業価値の向上と社会課題の解決につなげていく方針。
社会に対するGHG削減貢献製品