TOKAIホールディングスが次世代高圧ガス容器のAtomisへ出資

GX領域の情報収集・知見の集積、将来的な連携の可能性を期待

 TOKAIホールディングス(本社:静岡県静岡市葵区、小栗 勝男 代表取締役社長)は、次世代新素材により気体を制御し環境・エネルギー問題の解決を目指すスタートアップ企業の株式会社Atomis(本社:兵庫県神戸市、浅利 大介 代表取締役CEO)に出資した。TOKAIグループとしてのGX領域における情報収集・知見の集積、並びに、将来的な連携の可能性を期待するとしている。

 TOKAIホールディングスは、国内スタートアップ企業への投資・支援に取り組み、投資先スタートアップ企業との連携・協業によって、グループ事業の強化やGX・DXの推進、また新規事業創出を目的としたオープンイノベーションを推進している。
 Atomis社は、2015年に設立、「気体の制御で環境・エネルギーの課題を解決し、持続可能な社会実現に貢献する」をミッションに掲げ、ナノレベルで制御された細孔を有し、分離、回収、貯蔵など、気体の制御を可能にする新素材である多孔性配位高分子(PCP/MOF)の利活用により地球温暖化などの環境変動、エネルギー資源問題の解決を目指すスタートアップ企業。今回のTOKAIホールディングスの出資によりシリーズCラウンドの資金調達を終了した。

PCP/MOF など次世代多孔性材料(左)、次世代高圧ガス容器 CubiTan®(右)(提供:Atomis社)
PCP/MOF など次世代多孔性材料(左)、次世代高圧ガス容器 CubiTan®(右)(提供:Atomis社)

 Atomis社では、本資金を活用し、次世代多孔性材料の量産化と共に、環境領域(CO₂変換回収モジュール)、エネルギー領域(次世代高圧ガス容器CubiTan®)の開発を加速させ、「気体を自在に操る技術」で持続可能な社会の実現に貢献する。

 開発する次世代高圧ガス容器「CubiTan®(キュビタン)」を活かしたガス流通サービスの展開、将来的には、大気中からCO2を回収・変換するカーボンリサイクルシステム、エネルギーガスの分散型シェアリングの実現を目指す。

 TOKAIグループでは、現在進行中の「中期経営計画 2025」において、低・脱炭素化への取り組みを重要な戦略に掲げており、2050 年のカーボンニュートラル達成を目指す。今回の出資を通してAtomis社の成長をサポートするとともに、TOKAIグループのGXの推進、またカーボンニュートラル実現に向けた取り組みを推進する。