スウェーデンLund大学が大陽日酸製MOCVD装置「FR2000-OX」を採用
パワーエレクトロニクス向け酸化ガリウムの新材料半導体研究を支援
大陽日酸は2025年4月11日、スウェーデンのLund大学に自社製MOCVD装置※1を納入することが決定したと発表した。
Lund大学が採用した大陽日酸製MOCVD装置(型式:FR2000-OX)は、ワイドバンドギャップ半導体※2の新材料の一つである酸化ガリウム(β-Ga2O3)の高品質な成膜を可能とし、パワーエレクトロニクス向け酸化ガリウム半導体の開発に貢献することが期待されている。
本装置は、初めて欧州地域に導入される大陽日酸製のⅢ族セスキ酸化物結晶成長装置になる。大陽日酸は同大学と協力し、先進的な酸化ガリウム半導体デバイスの研究開発を支援することで、自社製MOCVD装置のグローバル市場に対する優位性が高まることを期待するとしている。
※1 MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)装置:原料に有機金属やガスを用いながら基板上に化合物半導体の成膜を行う装置。
※2 ワイドバンドギャップ半導体:窒化アルミニウムや酸化ガリウムなど、電子やホールが価電子帯から伝導体に遷移するためのエネルギー値が高い半導体。その特性は、高温での動作や高電圧での動作に優れ、高電力・高周波アプリケーションや高温環境での使用に適しているとされている。