巴商会、業界初の45MPa高圧輸送でグリーン水素の流通基盤を構築
「水素エネルギー転換のための高圧水素ガス新流通形態・利用拡大実証」で東京都やサントリーと連携
巴商会は、東京都が行う「新エネルギー推進に係る技術開発支援」令和6年度事業に採択された「水素エネルギー転換のための高圧水素ガス新流通形態・利用拡大実証事業」(実施事業者の代表企業:サントリーホールディングス株式会社、構成企業等:株式会社巴商会、 サムテック株式会社、日本トレクス株式会社)で、グリーン水素の大規模流通を可能にする新たな物流形態の構築のための実証事業を開始する。業界初となる45MPa高圧水素輸送により、グリーン水素の供給スケール拡大と流通インフラの確立を図り、東京都内における水素利用の促進を目指す。
東京都は、エネルギーの安定供給の確保および脱炭素化に向けた取り組みとして、都内における水素エネルギーの需要拡大および早期社会実装を促進しており、2050年にグリーン水素を脱炭素社会実現の柱とすることを目標にしている。グリーン水素とは、再生可能エネルギーで発電した電力を用いて水を電気分解し、製造される水素のことで、巴商会は、国内初のパワーツーガス(P2G)事業を展開する「やまなしハイドロジェンカンパニー(YHC)」とアライアンスを締結、山梨県や福島県を拠点としたグリーン水素サプライチェーンの構築を進めている。
グリーン水素の大規模流通を可能とするため、次の取組みを東京都やアライアンス企業とともに進める。第一に山梨県や福島県など都外で製造されたグリーン水素を都内で消費するモデルにより供給量を大幅に拡大する。次に150kgの水素が一度に運搬できる軽量カードルの活用で、業界初の45MPa高圧輸送による大量・効率的配送を実現。また、中継倉庫を組み合わせた新物流システムの構築や輸送容器と車両の切り離し運用など、シャーシの標準化・トラック稼働率の向上・ドライバー不足への対応で物流全体の効率化、将来的には飲料貨物トラックとの混載輸送も視野に入れる。さらに、東京都が運営するグリーン水素取引所と連携し、供給と需要をリアルタイムでマッチングすることで取引量の拡大に貢献するとしている。