大陽日酸と鳥取大学の共同研究「中小規模 CO2排出源向け省エネルギーCO2回収装置の開発」がNEDOプログラムに採択

多孔質材料による吸着剤で効率的な低濃度CO2回収技術を開発

 大陽日酸と国立大学法人鳥取大学の共同研究「中小規模CO2排出源向け省エネルギーCO2回収装置の開発(以下、本研究)」が、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下「NEDO」)の「脱炭素社会実現に向けた省エネルギー技術の研究開発・社会実装促進プログラム(実用化開発フェーズ)」に採択された。期間は2025年7月4日から2027年3月末まで。
 本研究では、新たなプロセスの適用を目指した革新的CO2回収装置の開発を進める。CO2を回収・高濃度化するCO2回収装置は、CCUS(CO2の回収・貯留・有効利用)の基盤となる技術。大陽日酸は、石灰製造炉などの排出源から98%以上の濃度でCO2を回収できるCO2回収装置を商品化したほか、これまでターゲットとしていた石灰製造炉だけでなく都市ガス専焼ボイラ排ガスなどの使用により排出される低濃度CO2の回収を、効率的に行える技術の研究開発に取り組んでいる。
 CO2を排出源から回収するために使用する吸着剤については、鳥取大学と共同で研究開発を進める。本共同研究の受け入れ研究者である津野地直講師は吸着剤として用いられる多孔質材料の合成・応用を専門としており、同分野で多くの論文執筆実績や受賞歴を持つ。また、NEDO助成事業の1つである「官民による若手研究者発掘支援事業」で大陽日酸が2024年度までに実施した、実用用途に向けたCO2吸着剤の開発における研究成果を活用して検討を進める。

※:2023/3/31ニュースリリース「4月から10トン/日規模のCO2回収装置を販売開始」

 NEDOの「脱炭素社会実現に向けた省エネルギー技術の研究開発・社会実装促進プログラム(実用化開発フェーズ)」は、『省エネルギー・非化石エネルギー転換技術戦略2024』内で重点的に取り組む分野として特定した重要技術を中心に、2040年度に高い省エネルギー効果が見込まれる技術開発を支援し、国内における脱炭素社会を実現しつつ、産業競争力の強化を目指すプログラム。実用化開発フェーズは、既に企業や大学等が有している省エネルギーに関連した技術やノウハウ等をベースに、応用・転用を図る技術開発になる。