日本液炭、NEDO事業で低温低圧CO2の有効利用に向けた技術開発

「CCUS 研究開発・実証関連事業/苫小牧における CCUS 大規模実証試験/CO2輸送に関する実証試験/CO2船舶輸送に関する技術開発および実証試験」の業務を受託

 日本液炭(本社:東京都港区、飯塚 浩幸 代表取締役社長)は、NEDO(国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)の委託事業である「CCUS 研究開発・実証関連事業/苫小牧における CCUS 大規模実証試験/CO2輸送に関する実証試験/CO2 船舶輸送に関する技術開発および実証試験」の業務を一般財団法人エンジニアリング協会 (ENAA)からの再委託として受託した。期間は、2025 年 7 月 22 日から 2027 年 3 月末までを予定。
 日本液炭は、CO2 の国内トップメーカーとして安定的に CO2 を供給するとともに、より安全な CO2 の取扱い方法の確立について、自社の研究センターにおける基礎実験をすすめている。これまでの基礎実験をもとに、本業務では、液化 CO2圧力制御・安定性に関する研究開発を進める。
 特に三重点(-56.6℃、0.516MPa-A)に近い液化 CO2を低温低圧状態(-50℃、0.7MPa-A など)で大量輸送する実証試験上の懸念点として、荷役・輸送等の工程における相変化による液化 CO2 の固体化(ドライアイス化)が挙げられる。これらの原因と対応策を明確にすることを目的として、日本液炭は小型流動試験装置を製作し、圧力・温度等の条件変化による CO2物性挙動変化を把握、低温低圧 CO2 のハンドリング上の課題抽出と解決方法の検討のために試験・研究を進める。
 日本液炭では、今回の契約を契機に、CO2 を資源として有効利用するカーボンリサイクルの社会実装に向け、本研究の成果を広く活用することで、2050 年のカーボンニュートラル社会の実現に貢献するとしている。