トキコシステムソリューションズが「川崎国際環境技術展」で商用水素ステーション向け水素ディスペンサーの展示

約120者が参加、サーキュラーエコノミーが創造するビジネスの可能性

 トキコシステムソリューションズは2025年11月12・13日の二日間、神奈川県川崎市の「カルッツかわさき」で開催された「第18回川崎国際環境技術展」へ出展し、国内の商用水素ステーションで燃料電池自動車(FCV)や燃料電池バス(FCバス)に水素を充填するダブルノズルミドルフロー対応水素ディスペンサー「NEORISE(ネオライズ)」の実機を展示した。充填ノズルを2本装備しており、2台のFCVへ同時に充填が可能なほか、ノズル2本を同時に使用した大容量の水素タンクへの高速充填にも対応する。

 トキコでは水素をエネルギー源とするトラックや船舶、航空機など、大型化するモビリティへの水素利用に向けて開発や製品づくりを進めている。水素ガスの量を正確に計測し、安全に充填するための水素ディスペンサーは、水素社会の実現やカーボンニュートラルに貢献する最先端の技術であるとして、2022年に開設した水素ディスペンサーの充填試験及び水素関連の新製品開発を行う水素先端技術センターでの活動や、機器の研究開発、水素ステーション建設エンジニアリング、サポート体制の構築など、水素関連技術の包括的なソリューションを来場者に対してPRした。

 川崎市と大学や行政機関などがメンバーとなる川崎国際環境技術展実行委員会が主催する「川崎国際環境技術展」は、国内外の環境問題や最先端の環境技術までを幅広く展示を行い、川崎から国内外へ発信するとともに、出展者と国内外の企業とのビジネスマッチングの場を提供することを目的とする。
 テーマは「サーキュラーエコノミーが創造するビジネスの可能性」で、資源リサイクルやエコソリューション/SDGs、エネルギー(再エネ・水素等)、省エネ・エネルギーマネジメント、ものづくり・AI・IoTなど、様々な業界から約120社/団体が出展した。展示会場では、大規模な環境関連事業を行うレゾナックや川崎重工業、三菱化工機、JFEグループなどの大手企業と環境分野で独自技術を持つ中小企業に加えて、国や自治体の支援機関・公的機関がブース出展したほか、出展者と来場者、海外からの参加者を交えたビジネスマッチングや情報交換も行われた。

 川崎事業所で使用済プラスチックを水素やアンモニアなどの化学品原料にリサイクルする「KPR(川崎プラスチックリサイクル)」を事業化するレゾナックは、資源リサイクルエリアに出展し、KPRの仕組みや使用済みプラスチックと繊維の循環型事業モデル「CirculaC(サーキュラック)」の概要を展示。2025年6月にスタートしたコンビニエンスストア店舗で年間約10,000枚発生する使用済ユニフォームの一部を、分子レベルまで分解してCO2などに変換し、冷媒などに使用するケミカルリサイクルを紹介した。