岩谷産業、「基幹LPGセンター」を整備し災害時のLPガス供給体制強化
岩谷産業は被災地へのLPガスの供給を可能にするために、全国で11ヵ所のLPGセンターを選定し、災害時のLPガスの供給体制を強化し、基幹センターとするため、2012年3月末を目標に整備を進め、完了した。総費用は約10億円(※但し、大阪東LPGセンターは事務所棟のリニューアル工事をともなうため完成が10月)。なお、次年度以降も10ヵ所程度のLPGセンターを選定し、毎年同様の整備を進める。
2011年3月11日の東日本大震災を契機として、LPガスは災害に強い「分散型エネルギー」として再認識されている。早期かつ個別の復旧が可能で、災害支援や復興に機動性を発揮できる特性を生かし、電気や都市ガスが寸断された場合の調理や給湯、暖房等の燃料として、また仮設住宅のエネルギーとして、その有用性を発揮する。
このLPガスの供給体制を災害時にも維持するためには、大量貯蔵や個別容器への充てん・出荷を行うLPGセンターが安定して稼働していることが必要不可欠となる。
岩谷産業グループには、家庭や業務用ユーザーにLPガスを届けるためのLPGセンター(3次基地)が全国に110ヵ所あり、各LPGセンターでは常時30トン~60トン程度のLPガスを貯蔵し、個別容器(ボンベ)への充てんと配送の拠点となっている。
岩谷産業グループでは震災直後より、全LPGセンターの内11カ所を「基幹LPGセンター」と定め、地震や水害などを想定した強化と整備を進めてきたが、3月末にほぼ予定通り整備が完了する。
「基幹LPGセンター整備の概要」
①関東・首都圏、中部、近畿の各エリアを優先順位の高い地域と考え、そのエリア内の11ヵ所を選定。
②選定に当たっては、地震、洪水等の自然災害を回避できる場所であることも考慮して決定。
③主な整備内容
1、LPガスタンク(貯槽)の交換や基礎補強による耐震性の増強
2、オートガス(自動車用のLPガス)充てん設備の設置
LPガスの配送車はLPガス自動車の比率が高く、災害時のガソリン不足に影響されない体制を整えた。
LPGセンターの画像(竜ヶ崎LPGセンター)
基礎補強を行なった貯槽(20t×2基)と充てん設備(後方)
貯槽に設置されたオートガス用充てん機(左タンク下)
LPガス非常用発電機 3相34kW×2台と単相20kW×1台を設置