岩谷産業中央研究所の初代所長に世界的な化学者の村井眞二氏が就任
岩谷産業は新たな技術拠点として、2013年5月、兵庫県尼崎市に竣工する「中央研究所」の初代所長に世界的化学者で奈良先端科学技術大学院大学 理事・副学長の村井眞二氏を招聘する。就任は2013年4月1日の予定。
村井氏は、有機合成化学・触媒化学分野における世界トップレベルの研究者で、2012年のノーベル化学賞候補としても注目を集めた。これまで産官学の連携推進や企業化・起業支援など、学術研究を通した産業界との関係強化にも積極的に取り組むなど、化学の振興・発展に大きく貢献している。「中央研究所」は顧客やパートナー企業との技術交流や商品開発を行なうなど、広く世の中に必要とされる開かれた研究所を目指しており、村井氏の多方面に亘るこれまでの幅広い知見を活かし、ポテンシャルの向上を図る為、所長就任を要請した。
【村井眞二氏略歴】
1938年生まれ。化学者、工学博士。奈良先端科学技術大学院大学 理事・副学長。大阪大学名誉教授。日本化学会元会長。科学技術振興機構上席フェロー。早稲田大学客員教授などを歴任。日本化学会賞、有機合成化学特別賞、藤原賞をはじめ、2010年には学術上、特に優れた研究業績に対して贈られる日本学士院賞を受賞。中でも経済産業省、文部科学省関連の取り組みである「元素戦略」における提案は、国の政策として具体化し、欧州や米国をはじめとする世界の主要国で、グローバルに拡大している。
【「中央研究所」について】
2012年4月より建設中の岩谷産業中央研究所(兵庫県尼崎市)は、既存の滋賀技術センター(滋賀県守山市)を全面廃止して、全く新たな技術拠点として生まれ変わる。各種設備の拡充と研究スタッフの大幅な増員が図られるとともに、顧客やパートナー企業などの要請にもとづく共同研究、委託実験、技術支援やコンサルティングなど、技術のワンストップサービスの提供を目指す。特に、国内では他に例を見ない極低温での液化水素の実証実験装置は、民間最高レベルの液化水素研究設備として、ガスの持つ無限の可能性に挑戦する岩谷産業のランドマークとなる。
アクセスは新大阪駅、伊丹空港からタクシーで約20分。敷地面積7,420㎡、7階建て延床面積約12,000㎡、レセプション棟、大型実験棟、研究棟、および総合管理棟からなり、2014年には併設の燃料電池車向け水素ステーションも稼動を開始する。