大陽日酸、バイアルボックス収納対応の細胞全自動凍結保存システム「クライオライブラリー®アドバンス」を発売
大陽日酸は、細胞収納効率を大幅に向上したバイアルボックス収納対応全自動凍結保存システム「クライオライブラリー®アドバンス」をラインナップに加えて販売を開始する。
大陽日酸は、液体窒素を利用した各種の極低温装置や、取り間違えのない全自動型の凍結保存装置でこれまで培った技術をもとに、独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「ヒト幹細胞産業応用促進基盤技術開発」等のプロジェクトに参画。プロジェクトでは、国立成育医療研究センター研究所と共同研究を行い、2013 年には iPS 細胞用全自動凍結保存システム「クライオライブラリー®(CAPS-i3000)」の販売を開始した。
さらに、ユーザーからの要望に応えるため、プロジェクト参画で得た技術を継承し自社で発展させ、バイアルの収納効率向上や、イニシャル及びランニングコスト低減を目指してきた。
従来機のケーンによるバイアル収納方式から、今回、バイアルボックスの収納方式を採用し、従来機に比べ設置寸法は同等で収納数を大幅に向上し、液体窒素蒸発量の低減も実現した「クライオライブラリー®アドバンス」を開発し、2015 年 4 月から販売を開始する。
※バイアル:樹脂製の凍結試料保存チューブ
※バイアルボックス:バイアル専用の収納ボックス(96 本/1cc バイアル、48 本/2cc バイアル)
現在販売中の全自動凍結保存システム「クライオライブラリー®(CAPS-3000)」は、2ccバイアルで 3,000 本以上の収納量があり、試料を安心・安全に取り扱うためバイアルに貼り付けたバーコード情報を専用ソフトで管理することで、取り違いを防止するシステムを構築している。
「クライオライブラリー®アドバンス」は従来機と同サイズを維持しつつ、SBS 規格の48、96 ウエルバイアルボックスを収納対象とし、収納数は 1cc バイアルで 16,000 本以上、2cc バイアルで 10,000 本以上と収納効率が3倍以上に増加した。装置内に搭載した画像処理カメラで大量のバイアル 2D コードを自動搬送動作中に短時間で読取ることができ、1 バイアルごとにバーコードを読み取る従来機に比べ、使いやすさも向上している。
また、装置内の液体窒素容器の断熱性を更に向上させたことにより液体窒素の蒸発量は5L/日以下と従来機の 1/2 以下となっており、ランニングコストの低減にも貢献する。
さらに、蒸発量が大幅に低減したことにより、停電時や供給元の液切れなど液体窒素が供給されない非常時においても 20 日間以上、安全な状態で試料を保存することができる。
装置のコンパクト設計により設置場所での搬入経路、荷物用エレベータや搬入扉の高さ制限をクリアしており、容器とロボット部を分解せずに搬入・据付が可能。
「クライオライブラリー®アドバンス」と従来機との比較
クライオライブラリー®アドバンス | 従来機 (CAPS-3000) | |
外形寸法(mm) | W1200*D1235*H1970 | W1150*D1320*H2190 |
保存方式、温度 | -150℃以下(液体窒素気相保存) | 同左 |
試料収納数 | CAPS‐A16000X 16,128 本(1cc バイアル) CAPS‐A10000X 10,368 本(2cc バイアル) | 3,128 本(2cc バイアル) |
液体窒素蒸発量 (容器単体) | 5L/day | 10L/day |
停電時の温度保持 | 20 日以上 | 5 日程度 |