大陽日酸、2019年3月期通期連結業績見通しを上方修正
大陽日酸の2019年3月期第3四半期連結決算(IFRS)は、売上収益5180億3000万円(前年同期比9・9%増)、コア営業利益438億7100万円(同4・0%減)、営業利益446億9300万円(同3・4%減)、純利益272億3400万円(同31・9%減)となった。
通期の業績予想では欧州事業の買収等により、売上収益7350億円(前年同期比13・7%増、従来予想は6700億円)、コア営業利益665億円(同10・8%増、同640億円)、営業利益670億円(同11・9%増、同645億円)、純利益410億円(同16・2%減、同400億円)に上方修正した。
欧州ガス事業の追加により売上収益が520億円増加、コア営業利益が63億円増加する一方で、取得関連費用の計上でコア営業利益が28億円減少。欧州ガス事業の連結期間は2018年12月からの4ヵ月間。欧州ガス事業以外では、米国ガス事業でバルクガスやハードグッズの売上収益が好調に推移し、当初予想を上回る見込み。また、コア営業利益は、国内ガス事業で炭酸ガスの原料不足によるコスト増加などで当初予想を下回る見込みとしている。
2019年3月期第3四半期のセグメント別業績は次のとおり。
①国内ガス事業
売上収益2659億8900万円(前年同期比7・1%増)、セグメント利益(コア営業利益、以下同)は、213億3100万円(同9・4%減)。
産業ガス関連は主力製品であるセパレートガスの売上収益が、主要関連業界である鉄鋼、化学向けを中心に順調に推移。2017年10月に新オンサイト工場を開設したことにより、オンサイトの売上収益は増加した。ハードグッズは金属加工向けを中心に売上収益が大きく増加。メディカルでは、昨年10月に買収した医療機器販売会社アイ・エム・アイが収益に貢献した。エレクトロニクス関連では、電子材料ガスの売上収益は減少。
②米国ガス事業
売上収益1388億5600万円(同8・0%増)、セグメント利益105億2600万円(同5・0%増)。
製造業での生産は順調で、バルクガス、ハードグッズの売上収益は大きく増加した。オンサイトでは、新規案件の稼動が開始し収益に貢献した。エレクトロニクス関連で電子材料ガスの売上収益は減少。
③欧州ガス事業
売上収益126億8700万円、セグメント利益5億6000万円。
米国プラクスエアから買収した欧州事業としてセグメント区分を追加。
④アジア・オセアニアガス事業
売上収益788億8700万円(同5・4%増)、セグメント利益85億5900万円(同17・7%増)。
産業ガス関連では、シンガポール・マレーシアはエネルギー産業向けを中心にハードグッズの売上収益が増加した。豪州は、プロパンガス及び関連機器の販売が好調。エレクトロニクス関連では、台湾での会計処理変更の影響による減収があるが、電子材料ガスの出荷は堅調だった。
⑤サーモス事業
売上収益216億0900万円(同9・9%増)、セグメント利益72億0500万円(同12・4%増)。
国内ではケータイマグ及びスポーツボトルの販売が回復、売上収益は増加した。海外でも韓国での販売が好調。