日本製鋼所と高圧昭和ボンベ、新日鉄住金、水素ステーション用の鋼製蓄圧器を共同開発し、商業生産開始
日本製鋼所と高圧昭和ボンベ(高圧ガス工業グループ)、新日鐵住金は、水素ステーション用鋼製蓄圧器の新型を共同で開発し、本格的な商業生産を開始した。新型の水素ステーション用鋼製蓄圧器「HyST300 model R」は、従来の信頼性をそのままにさらなる軽量化と耐久性を向上させ、量産化に向けての課題を克服した。
「HyST300 model R」は、新日鉄住金の99MPa高圧水素に耐える粘り強さと高強度を両立した大径厚肉シームレス鋼管を採用。また、日本製鋼所は、水素に対する材料知見を反映した蓄圧器の全体設計を行い、従来型の蓄圧器のストレート円筒に蓋を設けた構造から両端を絞ったボンベ構造に変えることで大幅な軽量化、コストの低減を実現した。
さらに、今回高圧昭和ボンベの大径厚肉シームレス鋼管に対する優れた鏡部鍛造技術により、ボンベ構造としては大きな開口径を有する絞り加工が実現出来、内面のきず除去加工や内面検査が可能な構造として高いレベルでの安全性・信頼性を確保した。これら3社の技術を結集した共同開発の結果、世界最高レベルの寿命30万回以上という圧倒的な耐久性を達成した蓄圧器を実現している。(特許、意匠出願中)
2017年末に政府が発表した「水素基本戦略」では、水素ステーションの整備目標として 2020年に 160 箇所(FCV 普及台数 4 万台)、2025年に 320 箇所(同 20 万台)、2030年に 900 箇所(同 80 万台)が掲げられている。また2018年3月にはインフラ事業者、自動車メーカー、金融投資家が結集し、「日本水素ステーションネットワーク合同会社」(JHyM)を設立し、水素ステーション事業の早期自立化及びFCVの普及拡大を目指している。
なお、2019年2月27日~3月1日に東京ビッグサイトで開催されるFC EXPO2019において、日本製鋼所のブースで今回の新型水素ステーション用鋼製蓄圧器「HyST300 model R」を展示予定。