岩谷産業とトッパン・フォームズ、再生医療分野で-150℃以下の低温輸送システム提供開始

 岩谷産業とトッパン・フォームズは、医薬品の適正流通(GDP)ガイドラインに対応し、再生医療分野で利用可能な新たな輸送温度管理システムの提供を開始する。再生医療分野で細胞・医薬品を保管・輸送する際に、細胞・医薬品が収納された 容器内外の温度管理を可能にする。

低温輸送システムの概要

 両社は本システムを再生医療に関わる医薬メーカー、医薬品卸や 病院などへ展開し、輸送・保管を通じて再生医療の発展に貢献する。また、2019 年 5 日(金)まで東京ビッグサイト青海展示棟で開催されている「第 1 回 再生医療 産業化展(東京)」の岩谷産業ブースで本システムを紹介する。

 温度管理には岩谷産業が提供する、液化窒素を使用して-150℃以下の環境を保つ「ドライシッパー(細胞輸送容器)」と、トッパン・フォームズが新たに開発した温度ロガー「オントレイシス タグ-196℃」および温度管理プラットフォーム「オントレイシス クラウド」を利用する。-150℃以下の低温環境で温度・位置情報のログデータをリアルタイムで取得することで、再生医療等製品の輸送・保管時の温度品質を向上する。

システムの特長

1. ドライシッパー、温度ロガー、管理用クラウドシステムを一括提供
 輸送用のドライシッパーと温度管理用の温度ロガー、温度管理システムを合わせて提供可能。

2. -150℃以下の低温環境での温度管理に対応
 -196℃まで計測可能な温度ロガーの使用で、-150℃以下の低温環境でも正しい温度ログの取得 が可能。

3. クラウドシステム上でのリアルタイム監視が可能
 取得した温度や位置情報などのログデータは、スマートフォンなどの通信を通じて、クラウド 環境へアップロードされるため、遠隔地からでもログデータ閲覧が可能。


 日本国内では安全性の向上を目的に、厚生労働省から 2018 年 12 月に医薬品の流通過程における 国際品質管理基準である GDP に準じたガイドラインが公表されており、再生医療分野も本ガイドラインの対象に含まれている。 医薬品の輸送・保管に関わる医薬メーカーや医薬卸、倉庫、運輸などの企業は、定温輸送を含む輸送・保管時の品質管理の厳格化のため、物品輸送時の温度ログの取得や管理強化などの取り組みを進めている。