大陽日酸、基幹生産工場のリモートオペレーションシステムを構築
DXで保安や品質管理、生産性向上を推進
大陽日酸はDX推進による保安や品質管理、生産性向上の推進を、中長期的に取り組むべき課題の一つとし、産業ガス(酸素、窒素、アルゴンなど)生産を行う大型の空気分離装置のリモートオペレーションを可能とするシステムを構築した。
大陽日酸はこれまでも、顧客の構内や隣接エリアに設置した小型の窒素ガス製造装置において、独自開発した遠隔監視システムによる一元的な状態監視(総合監視センター)により、安全・安定供給継続とトラブル発生時の早期復旧に備えるなど、ユーザーをサポートする運用をしている。
一方、大型の空気分離装置が稼働する生産工場は、工場毎に専門知識を有する保安要員を配置し、24 時間体制で操業を行っている。保安、品質、安定供給を最優先とした操業を徹底しているが、今後、生産年齢人口の減少が見込まれる中、より高度なリスク評価に基づく厳格な工場操業が求めらる。これまでと遜色のない高度な運転管理を維持できるリモートオペレーションシステムを導入することで、生産性の向上と人的資源の有効活用を実現した工場運営体制を可能にする。
今後はシステムの検証を行い、法的要件を遵守した生産工場のリモートオペレーションの実現を目指す。2023 年度にはリモ-トオペレーションセンター(仮称)を開設し、以後、対象工場(新相模酸素株式会社等)を順次拡大していく。同センターでは総合監視センターで培った遠隔監視技術に加え、IoT、AI をはじめとしたデジタル技術を活用しながら、プラント運転、設備管理、品質管理等を担う。併せて自動で最適運転を行うオートオペレーションにも取り組み、より高度で効率的な操業も推進する。