セブントゥーファイブ、地域遠隔医療でドローンによる処方薬搬送の実証実験を実施
過疎地域におけるドローン物流の実用化を支援
エア・ウォーターグループのセブントゥーファイブ株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:石井 克幸、以下「セブントゥーファイブ」)は2月17日、宮城県黒川郡大郷町、一般社団法人日本ドローン活用推進機構(JDUI)と共同で、通院困難者の遠隔医療を想定した、ドローンによる処方薬搬送の実証実験を実施した。
本実証実験は、環境省「社会変革と物流脱炭素化を同時実現する先進技術導入促進事業」の採択を受け、大郷町、JDUIと共同で搬送時間・コストの削減、二酸化炭素排出の削減といった効果検証を行った。
実証実験の背景
過疎化が進む地域では、病院までのアクセスが不便な場所に住んでいる人や、高齢者など通院することが困難な人々がオンライン診療を受け、診療後の処方薬の搬送をドローンで行うことが想定されている。
一方、物流業界では慢性的なドライバー不足が続いており、そうした中で自動運航が可能なドローンは輸送の代替手段として注目されている。特に、中山間地での搬送や少量の物品搬送にメリットがあると考えられ、自動車の代わりとなることで、CO2排出量の削減への貢献も期待される。
実証実験を行う大郷町では、中山間部に居住する町民の多くが1日に数本しか運行されないバスで通院をしている。大郷町では、このようなアクセスの不便さや高齢者の通院困難な状況を解消するととともに、町内における移動手段を含めた物流の効率化と省エネルギー化を推進するため、オンライン診療と電力のみで動くドローンを導入し、病院まで行かなくても診察から処方薬の受け取りまでを完結できる遠隔医療体制の構築を検討する。
実証実験の概要
本実証実験では、町内の歯科医が自宅にいる患者をオンラインで診察し、その後、処方された薬をドローンによって約4.3km離れた患者宅へ搬送した。なお、ドローンは事前に飛行ルートをプログラムに組み込み、自動運航された。
ドローンの飛行ルートについては、セブントゥーファイブが事前のリスクアセスメント・安全管理を十分に行い、道や民家等の上空を飛行するといったリスクを最小限に抑えた。
今後の取り組み
2022年2月24日には青森県三戸郡五戸町でも同様の実証実験を実施する予定。今後も、セブントゥーファイブは、ドローン活用を検討する自治体に対する技術導入支援を行い、過疎化が進む地域における課題解決に取り組む。