大陽日酸、液化窒素式フラットコンベアフリーザー(Bistranza-FZS)を発売
フラットベルトの材質は“ステンレス”と“樹脂”の2種類
大陽日酸は、加工における食品の形状保持などを容易にする表面凍結技術を搭載したフラットコンベアフリーザーを開発し、食品用ガスアプリケーション「Bistranza®」シリーズの新たなラインナップ「Bistranza-FZS」として販売を開始した。
商品開発の経緯
これまで大陽日酸では、液化窒素の冷熱を利用した急速凍結で、高品質な冷凍食品を製造する凍結装置を提供してきたが、この液化窒素の利点である大きな温度差は、高品質凍結のみならず、食品の表面を瞬時に凍結させることで、食品加工における品質向上が可能となる。
例えば、カッティング時の切断面のきれいさを保つことや、やわらかい食品の包装材への付着防止、トッピングなどでの形状保持、積層工程の歩留まり向上などで、これらの加工処理へ液化窒素の冷熱を有効に利用するために、整流機構を備えた冷風の発生機構や、きめ細やかな温度調整機構、コンベア痕などの食品形状への影響を極力抑えた極低温下で使用可能なフラットベルトなどの表面凍結技術を開発した。
この新しい表面凍結技術を搭載した連続式凍結機を、食品用ガスアプリケーション「Bistranza®」シリーズに、「Bistranza®-FZS」として追加し販売する。
液化窒素式フラットベルトフリーザー「Bistranza®-FZS」の特徴
液化窒素の持つ冷熱(-196℃)を利用し、極低温環境(-100℃以下)を容易に作り出せる従来の液化窒素式フリーザーの特徴に加えて、本装置には新開発の表面凍結技術である以下の機構を搭載した。
- 整流された冷風を発生し、食品表面を素早く均一に凍結する冷風整流発生機構
- 凍結機内の各ゾーンにおいて個別に温度設定できる温度調整機構
- 極低温下で稼働可能なフラットベルトコンベア(特許出願中)
本装置ではこれらの機構を使い、素早く食品の表面を凍結するため、後工程で高品質な加工処理が可能になる。また、加工の失敗によるロスを抑え、歩留まりを改善できるので、フードロス防止にも一役買うことができる。液化窒素の急速冷凍とシンプルな構造から、比較的短い工程の間に設置することも可能であり、ボトルネックの解消や一貫生産の実現もできる。
フラットコンベアは製品にコンベア痕を付けず、形状を保持し、さらにフラットコンベアにより、表面凍結のみならず、これまでのメッシュコンベアでは対応できなかった非固形物や小さな対象物の急速凍結処理が可能となった。
フラットベルトの材質は“ステンレス”と“樹脂”の2種類があり、材質により製作可能サイズ(幅・長さ)が異なる。製作可能サイズの範囲内で、ユーザーの要望(生産量、設置スペースなど)に最適な仕様を提案する。
液化窒素式フラットベルトフリーザーの仕様
- フラットベルト材質:ステンレス・樹脂
- 製作実績サイズ(ベルト幅×有効長):ステンレスは W400×L3000mm、樹脂はW900×L8000mm(※8000ミリ以上も製作可能)
- 最低使用温度:-120℃
- 温度制御精度:±5℃
- 必要ユーティリティ:電源(三相 AC200V)、液化窒素、計装空気