大陽日酸が金属 3D プリンター用アドオン型循環精製装置「3DProⓇ PrintPure™」と統合遠隔モニタリングシステム「MiruGas™ For AM」の販売開始
造形雰囲気中の酸素や水分を数 ppm レベル相当まで低減、統合遠隔モニタリングシステムも同時リリース
大陽日酸は、金属積層造形の品質向上と安定化を実現する金属 3D プリンター用アドオン型循環精製装置「3DproⓇ PrintPure™」と、造形雰囲気の不純物濃度等を常時監視できる統合遠隔モニタリングシステム「MiruGas™ For AM」を開発し、商品化した。
金属 3D プリンティング技術はアディティブ・マニュファクチャリング(以下 AM)とも呼ばれ、部品の軽量化や原材料点数の削減に伴うサプライチェーンの簡素化が期待されており、航空宇宙産業をはじめ様々な分野における実用化がグローバル規模で着々と進んでいる。一方で金属種によっては、造形雰囲気中の酸素や水分といった不純物が造形品質に影響を与えるため、不純物の低減、管理の必要性が生じていた。
大陽日酸では、産業ガスメーカーとして独自ノウハウを持つガスコントロールの知見を生かし、造形雰囲気中の酸素や水分を数 ppm レベル相当まで低減できる金属 3D プリンター用アドオン型循環精製装置「3DPro Ⓡ PrintPure™」を開発、商品化。「3DPro Ⓡ PrintPure™」は既存の 3D プリンターに後付け可能で、造形品質の向上、安定化が期待できる。
また「3DProⓇ PrintPure™」を加えた 3DProⓇシリーズ製品※と連携し、Web ブラウザを介して収集した造形雰囲気の不純物濃度等の情報を PC や携帯端末にて可視化・モニタリングする統合遠隔モニタリングシステム「MiruGas™ For AM」も同時リリースする。
「MiruGas™ For AM」の導入により、造形品質の信頼性向上、そして稼働機器の運転状況を遠隔でも細かく把握できることから、AM プロセスにおける業務効率化につながる。
※【3DProⓇシリーズ製品】
- 3DProⓇ PrintPure:造形雰囲気中の酸素や水分といった不純物を循環精製する装置
- 3DProⓇパウダードライキャビネット:金属粉末原料を極低露点、低酸素雰囲気で保管し劣化を防ぐ保管庫
- 3DProⓇ超高純度窒素発生装置:AM プロセスに特化した超高純度窒素発生装置
3DProⓇ PrintPure™システムの特長
金属 3D プリンター用アドオン型循環型雰囲気ガス精製装置「3DProⓇ PrintPure™」は、Powder Bed Fusion 式(金属粉末を敷き詰め、熱源となるレーザや電子ビームで造形する部分を溶融・凝固させる方法のこと)3D プリンターの雰囲気ガス循環ラインに後付けして
使用可能。造形雰囲気中に通常数百~数千 ppm レベルで存在する酸素や水分といった不純物を数 ppm レベル相当まで低減することで、安定した造形を実現する。
MiruGas™ For AM の特長
「MiruGas™ For AM」は、3D プリンター周辺の酸素濃度や温度、露点、3DProⓇシリーズの運転状況やアラーム発生状況を、Web ブラウザからリアルタイムでモニタリングできる統合遠隔モニタリングシステム。電子メールや SMS(ショートメッセージ)による警報通知機能、Web カメラ機能、測定指示値や運転記録レポート機能を提供し、AM プロセスにおける業務効率化に貢献する監視システムになる。「MiruGas™ For AM」は、3DProⓇシリーズと合わせたソリューション販売のみならず、個別での販売も行う。
今後の展開
大陽日酸は、特に欧米で航空宇宙産業を中心に量産適用が進み、今後世界的市場の急拡大が予想される AM 市場において、これまで培ってきた溶接、熱処理、ガス精製に関する技術知見やガスハンドリング技術を活用し、引き続き AM 関連技術の開発と造形物の品質安定化に寄与するトータルソリューションの拡充に注力する。