小池酸素工業 2022年3月期通期連結決算

建設業界・産業機械業界の工場稼働率が回復の兆し

 小池酸素工業の2022年3月期通期連結決算は、売上高418億3400万円(前年同期比6.6%増)、営業利益16億9000万円(同48.6%増)、経常利益20億6300万円(同51.2%増)、親会社株主に帰属する純利益9億9500万円(前年同期は6100万円の純損失)となった。配当金は期末配当60円の年間配当60円(前期比10円増配)。

 グループの主需要先である建設業界・産業機械業界では回復の兆しがみえたものの、造船業界ではコンテナ船の受注が失速するなど、未だ先行きは不透明な状況となった。

 グループは中期経営計画で掲げた「世界市場での顧客満足の実現」に向けた取組を継続し、売上高は増加した。また、前年発生したブラジルレアル安に伴う大幅な為替差損が本年は解消されたことや、国内外の連結子会社において新型コロナウイルス感染症に係る雇用調整助成金を受給したことなどにより、経常利益は増加した。

 セグメント別の業績は次のとおり。

機械装置

 売上高は147億3100万円(前年同期比4.9%増)、セグメント利益は8億8200万円(同102.0%増)。

 主需要先である建設業界・産業機械業界の市況や、米国を中心とする海外市場に復調傾向がみられた。また、2021KOIKEプライベートフェアにて、フジクラ社製8KW-DBC(デュアルビームコントロール)発振器搭載ファイバーレーザー切断機を中心とした新製品、新技術を発表するなど営業活動に注力したことにより、売上高は増加した。

高圧ガス

 売上高は188億3000万円(前年同期比16.1%増)、セグメント利益は13億1400万円(同40.8%増)。

 主需要先である建設業界・産業機械業界の工場稼働率が回復の兆しをみせるとともに、医療分野において、パルスオキシメーター、酸素濃縮器、酸素流量計、ディスポーザル吸引機ミカンのライナーなどの販売が好調に推移しました。また、酸素濃縮器レンタル、CPAPレンタルの営業活動に注力したことにより、売上高は増加した

溶接機材

 売上高は79億0600万円(前年同期比1.4%増)、セグメント利益は4億9000万円(同25.3%増)。

 セフティファーストキャンペーンによるガス機器の安全チェックや、溶接材料の値上がりに対応するとともに、労働安全衛生法の改正に対応した作業環境測定機器や周辺機器の販売に注力したことにより、売上高は増加した。

その他

 売上高は3億6600万円(前年同期比68.9%減)、セグメント利益は2000万円(同90.1%減)。 

 ヘリウム液化機関連機器や、海外での排ガス処理装置の販売が減少したことにより、売上高は減少した。

今後の見通し

 機械装置部門においては、切断機の「健康診断活動」の継続による引合いの獲得に努めるとともに、世界初の12kW-DBC(Dual Beam Control)ファイバーレーザー切断機や片付けロボット等の新製品の販促活動を強化する。また、海外においても国内同様にファイバーレーザー切断機の拡販に努める。

 高圧ガス部門においては、12kW-DBCファイバーレーザー切断機をはじめとした機械との一体販売の推進や新たに高純度ガスの充填を開始し、新規顧客の獲得に努める。また、将来に向けたガス事業の構造改革として充填工場のインフラ整備や配送の合理化を推進し、安全の確保、安定供給および原価低減を図る。医療分野においては、酸素濃縮器レンタル、CPAPレンタルなどの営業強化を図り、拡販活動に努める。

 溶接機材部門においては、各種新商材の投入を行うとともに溶接材料・ガス・溶接機器との一体販売強化による新規顧客・新市場創出に努める。

 その他の部門においては、排ガス処理装置の新製品開発やヘリウムリサイクル事業の展開を推進し、拡販活動に
取り組む

 2023年3月期通期連結業績予想は、売上高450億円(前年同期比7.6%増)、営業利益23億円(同36.1%増)、経常利益27億円(同30.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益14億円(同40.6%増)を見込む。配当金は期末配当70円の年間配当70円(前期比10円増配)を予想する。