レアガス回収用分離膜セプランⓇノーブルが、エア・ウォーター・プラントエンジニアリング設計・製作のヘリウム回収・精製ユニットに採用
半導体製造工程中に排気されるヘリウムを効率的に回収・濃縮する中空糸膜モジュール
ポリプラ・エボニック株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:金井 産(かない ただし))は、同社が日本で販売するレアガス回収用分離膜SEPURAN® Noble(セプランⓇノーブル)が、エア・ウォーターグループのエア・ウォーター・プラントエンジニアリング株式会社[以降AWP](本社:大阪府堺市、代表取締役:大塚 茂樹(おおつか しげき))が設計・製作を手掛けたヘリウム回収・精製ユニットに採用・導入されたと発表した。
このヘリウム精製ユニットは既に、国内大手半導体メーカーにおいて運転を開始し、製造プロセスから排気されるヘリウムガスを効率的に回収・精製する装置として、エンドユーザーからは性能に対する高い評価を得ている。
ヘリウムガスは世界的に供給がタイトなレアガスである一方、国内では半導体・電子・医療分野等で多く用いられており、常に枯渇問題が浮上する重要な希少資源。SEPURAN® Noble膜は海外では既に、光ファイバーの線引き工程中に放出されるヘリウムガスを回収・精製し、再利用する精製ユニットにも採用されており、今回が半導体分野において国内初の採用実績となる。
膜分離は他の分離技術に比べて、運転に必要なエネルギーが小さく済む為、ランニングコストが安く、単純な操作で設置面積も小さくコンパクトな設備でコストを安く出来る。一方で、ガス分離の選択性の高い膜材は、まだ市場では少なく、膜分離の技術が採用される機会はなかった。
エボニックはスペシャルティケミカルのエキスパートとして、素材~膜材まで一貫した開発体制で、ガス分離性能の優れたポリマー材を用いて、SEPURAN® Noble膜を製品化する事に成功。独自のポリマー材料で作製した中空糸膜モジュールで、高い分離性と透過性を併せ持ち、ヘリウムあるいは水素を効率よく回収・精製できる。