大陽日酸、液化窒素式プログラムフリーザ 「クライオセルマスター™」CM-300の販売開始
細胞医薬製造ライン向けに大量の細胞を安定して凍結
大陽日酸は、細胞医薬製造ライン向けに大量の細胞を安定して凍結することが可能な液化窒素式プログラムフリーザ「クライオセルマスター™」CM-300を商品化し、2022年10月から販売開始する。
大陽日酸は、国内唯一の液化窒素式凍結保存容器メーカーとして、これまでに細胞の凍結・保存・輸送向けに多数の関連機器を販売してきた。その一つである液化窒素式プログラムフリーザ(*1)は、細胞の予備凍結処理(*2)を行う装置として、多くの大学や国、企業の研究機関で使用されている。
液化窒素式プログラムフリーザは、電気式の装置と比較して凍結処理能力が高く、温度制御範囲も広いため、細胞に適切な凍結速度で大量に予備凍結処理することが可能になる。
再生医療が研究段階から産業利用へ移行するなか、より大量の細胞を一括で予備凍結処理したいという要望に応えるため、今回、従来品の3倍となる庫内容量約300Lを確保した「クライオセルマスター™」CM-300を開発。本装置を新たにラインナップに加えることで、細胞医薬の研究用途から医薬製造ラインでの予備凍結処理において、ユーザーの要望に幅広く対応する。
*1 プログラムフリーザ:細胞を凍結する際の予備凍結処理に使用され、凍結速度を任意に制御できる。
*2 予備凍結処理:細胞を凍結する際に、細胞へのダメージを軽減するため、常温から80℃程度まで、凍結スピードのコントロールを行いながら凍結する処理のこと。
本装置は当社標準ラインナップであるCMシリーズの大型機種であり、以下の特徴を有する。
- 液化窒素(-196℃)の冷熱を利用することで、電気式と比較し、容易にかつ安定して凍結プログラムに沿った凍結が行える。
- 従来機の3倍である細胞凍結保存用バイアル(10㏄)最大1575本を一括処理できる。
- 安定した凍結状態を再現するため、独自の凍結プログラムを搭載。
- 攪拌ファンや液化窒素ノズルのレイアウト等を最適化することにより、プログラム凍結時の庫内温度分布は従来機と同等レベルを実現。
- 大量の凍結を一度に処理できることから、同量の処理を従来機CM-100で行った場合に比べ、設備投資の抑制や省スペース化(設置面積で約4割削減)に貢献する。
- 庫内ヒーターの搭載により凍結運転完了後すばやく庫内を復温できる。次処理までの待機時間を短縮することで、1日当たりの凍結処理回数を増やせる。
装置型式 | CM‐300 (新型) | CM‐100 (従来据置き型) | CM‐21BL (従来卓上型) |
本体寸法(W×D×H) [mm] | 1,910×810×925 | 1,010×810×925 | 535×530×450 |
10cc 凍結保存用 バイアル処理量 [本] | 1,575 | 525 | 25 |
電源 | 三相 AC200V | 三相 AC200V | 単相 AC100V |