エア・ウォーター、長野県松本市で地産地消エネルギーによる資源循環モデルの開発施設「地球の恵みファーム・松本」の建設に着手

「地球の恵みファーム・松本」

未利用資源から電気、熱、CO2を生産、農業・養殖に活用する地域還元モデル

 エア・ウォーターは長野県松本市で、地産地消エネルギーによる資源循環モデルの開発施設「地球の恵みファーム・松本」の建設に2022 年10 月下旬より本格着手する。

 地球の恵みファーム・松本は「バイオマスガス化発電プラント」「メタン発酵発電プラント」「スマート陸上養殖プラント」「スマート農業ハウス」の 4 施設で構成される。地域で発生する未利用バイオマス資源を有効活用して発電を行うとともに、発電時に発生する熱や炭酸ガス(CO2)を養殖設備や農業に利用する。養殖排水を農業で利用、養殖・農業の廃棄物を発電原料に使用するなど、それぞれの排出物を施設内で循環させるとともに、様々な形で地域に還元する。未利用資源からエネルギーを獲得し、排出される廃棄物を最小化することで、エネルギーの地産地消と資源循環モデルを実現する。

「地球の恵みファーム・松本」の地産地消エネルギーによる資源循環モデル

 エア・ウォーターグループは「地球の恵みを、社会の望みに。」をパーパスとして、空気や水に代表される地球資源を活用し、技術やビジネスモデルを掛け合わせることで、人々の暮らしや産業になくてはならない製品、サービスを生み出している。今後も産業ガス、エネルギー、医療、農業・食品、海水といった多様な事業領域で培った技術等を活用し、『地球環境』と『ウェルネス(健やかな暮らし)』を基軸に地球、社会との共生による循環型社会の実現を目指す。また、グループは祖業である産業ガス、医療用ガスの事業展開を通じて、地域に密着した営業・配送などの事業基盤を構築。多様な事業領域との融合によって、地域の課題解決に貢献する新事業の創出を今後の国内事業における重点施策と位置付ける。

 9 月6 日に閣議決定された新たな「バイオマス活用推進基本計画」では、2050 年カーボンニュートラルの実現や持続可能な循環型社会の形成に向けて、バイオマス活用推進の加速化が必要と提起している。剪定枝などこれまで使われてこなかったバイオマスの活用を進め、2030 年度までの目標として、利用率を 80%とする新たな目標が掲げられた。

 こうした中、エア・ウォーターグループの技術開発拠点や多様な事業領域の拠点が集積している長野県松本市において、地球の恵みファーム・松本の建設に着手し、2022 年10 月下旬より、スマート陸上養殖プラントの建設を開始する。今後、バイオマスガス化発電プラント、スマート農業ハウス、メタン発酵発電プラントを順次着工し、2024 年春の完成を予定している。地域の未利用資源である木質バイオマスや食品廃棄物を活用し、バイオマスガス化発電プラント、メタン発酵発電プラントで発電、同時にファーム内で発生するエネルギー・資源を有効活用し、養殖魚、農作物、電気、炭酸ガス、肥料などを地域に還元する地産地消モデルを目指す。

 グループでは酸素、炭酸ガス、人工海水など農業や陸上養殖に欠かせない商材を有しており、本施設で検証した設備や事業モデルを他地域でも展開することで、脱炭素社会への貢献と事業拡大の両立につなげるとしている。

「地球の恵みファーム・松本」概要

  • 所在地:長野県松本市梓川倭
  • 面積:敷地面積 約10,000 ㎡

※完成イメージ

  1. バイオマスガス化発電プラント
  2. メタン発酵発電プラント
  3. スマート陸上養殖プラント
  4. スマート農業ハウス

設備概要

(1)バイオマスガス化発電プラント

 ベルギー Xylergy 社のバイオマスガス化炉「NOTAR®」を国内初導入。同ガス化炉はタールの発生がないという特徴を持ち、竹や剪定枝などの未利用バイオマスを発電に利用可能。松本市では毎年木質系一般廃棄物が多く発生しているほか、林地残材や間伐材などの未利用木材の潜在量も多く、本プラントではこのような未利用木材を種類問わず受け入れていく。

  • 発電形式:ガス化・エンジン方式
  • 発電規模:150kW
  • 使用燃料:木質バイオマス(使用量:5~6t/日)

(2)メタン発酵発電プラント

 地域で発生する食品系廃棄物を収集し、メタン発酵プラントでバイオガスを発生させ、発電に利用する。発電時の熱や排気ガス中の炭酸ガスはスマート農業ハウスに提供、メタン発酵における残渣は肥料として活用することで、地域資源を無駄なく活用する。

  • 発電規模:300kW
  • 処理量:30t/日

(3)スマート陸上養殖プラント(半閉鎖型陸上養殖プラント)

 松本市の井戸水を利用した半閉鎖型の陸上養殖プラントにて、サーモンやバナメイエビの養殖を行う。人工海水を用いて陸上において海水環境を再現しつつ、病原菌の侵入を防ぐことで、高効率の養殖を実現。水温、溶存酸素濃度、溶存アンモニア濃度などをセンサで検知し、快適な状態を維持することで、養殖の高密度・高収量化を図る。

  • 水槽サイズ:直径5m×2、小型水槽多数
  • 魚種:サーモン、バナメイエビ 他

(4)スマート農業ハウス

 発電時に発生する熱を活用してエネルギー効率を高めるとともに、同じく発電時に発生する炭酸ガスを吹き込むことで光合成を促進し、農作物の成長速度を速める。熟練農家の栽培ノウハウをプログラムに反映したエキスパートシステムを活用してハウス内環境の最適化を行うスマート農業にて、高収率・高収益農業を実現する。

  • 栽培面積:600 ㎡
  • 炭酸ガス使用量:80N ㎥/日
  • 栽培品目:トマト、キュウリ、イチゴなど

今後のスケジュール

  • 2022 年 10 月:スマート陸上養殖プラント着工
  • 2023 年 1 月:バイオマスガス化発電プラント、スマート農業ハウス着工
  • 2023年3 月:スマート陸上養殖プラント実証運転開始
  • 2023年6 月:スマート農業ハウス栽培開始
  • 2023年7 月:メタン発酵発電プラント設備着工
  • 2023年8 月:バイオマスガス化発電プラント実証運転開始
  • 2024 年 夏 :竣工
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