東京都が燃料電池フォークリフトの実装に向けたトライアル利用を開始

鈴木商館の35MPa仕様簡易水素充填機を活用

 東京都は、エネルギーの安定供給の確保や脱炭素化に向けた取組として、都内における水素エネルギーの需要拡大・早期社会実装化を目指す。民間事業者と連携し、燃料電池フォークリフトを市場で利用し、データの収集を行うとともに、導入への課題の抽出を行う。今回のトライアル利用の結果を解決策の検討につなげ、燃料電池フォークリフトの都内への導入拡大を図る。

 本トライアル利用で、CO2削減や作業環境改善等に貢献する燃料電池フォークリフトの運用と検証を行い、物流や製造の現場等における将来的な普及を目指す。

事業の概要

 市場において燃料電池フォークリフトを実際に走行・集荷業務等に使用し、利用事業者へのヒアリング等を実施し、課題抽出等を行う。水素の充填には、水素カードル(水素ボンベ)と簡易水素充填機を活用する。

 運用場所と期間は、多摩ニュータウン市場で2022年11月1日(火)から1ヵ月程度。また2023年1月には板橋市場でも運用を予定する。

 トライアルには、株式会社豊田自動織機、トヨタエルアンドエフ東京株式会社、株式会社鈴木商館と連携し、「定格荷重2.5トン燃料電池フォークリフト」と「35MPa仕様簡易水素充填設備」を使用する。

定格荷重2.5トン燃料電池フォークリフト (C)株式会社豊田自動織機
定格荷重2.5トン燃料電池フォークリフト
(C)株式会社豊田自動織機
35MPa仕様充填設備 (C)株式会社鈴木商館
35MPa仕様充填設備
(C)株式会社鈴木商館

(参考)燃料電池フォークリフトについて

 燃料電池フォークリフトは、水素と空気中の酸素を化学反応させて電気をつくり、その電気を動力源に走行する電動フォークリフト。今回運用する燃料電池フォークリフトは定格荷重が1.8トン・2.5トンで、稼働時のCO2排出はゼロ、水素充填時間は約3分で、約8時間【注1】の稼働ができる。また、非常時でも使用できる外部給電機能を有しており、水素1充填あたり1キロワット×15時間【注2】の電力供給が可能。

【注1】55%稼働、100%水素消費を条件として、メーカーによる稼働時間測定方法により算出
【注2】2.5トン積 燃料電池フォークリフトの場合