日本酸素HD子会社のマチソン・トライガスが、インドの政府系製油所へ水素の長期供給の受注

政府系公社ヌマリガル製油所(NRL)から20年間の水素および副生蒸気の供給を受注

 日本酸素ホールディングス(NSHD)は、NSHD の米国事業会社である Matheson Tri-Gas(本社:米国テキサス州、以下「Matheson」)が、インド政府系公社ヌマリガル製油所(NRL)から20 年間の水素および副生蒸気の供給を受注したこと発表した。

 Matheson は、アッサム州ヌマリガルにある NRL の製油所に隣接する 132kNm3/h(285 トン/日)のプラントから水素を供給する予定。このプラント建設にあたっては、プラント建設・エンジニアリング会社であるLarsen & Toubro Limited(インド)とパートナーを組み、デンマークの Topsoe A/S の改質技術を利用し、高効率の供給体制を確立する。プラントは2025 年に完成し、稼働する予定。

 本プラントから排出される水素および副生蒸気は、インド政府が進める北東部開発計画のうち、戦略性の高いヌマリガル製油所の拡張プロジェクト(NREP)で使用される。この計画には、パラディープ・ヌマリガル原油パイプライン(PNCP)プロジェクト、パラディープの原油輸入ターミナル(COIT)、インド・バングラデシュ・フレンドシップ・パイプライン(IBFP)、ヌマリガル・シリグリ州間プロダクトパイプライン、2G エタノールプロジェクト(*1、2)も含まれる。NSHDグループは、このプロジェクトの重要な一翼を担うこととなる。

*1: Economic Times、2022 年 9 月 19 日号
*2:The Telegraph、2022 年 12 月 8 日付

 今回の提案スキームは、Matheson の Global HYCO ビジネスユニットが主導し、NSHDが持つ設計・技術を用いてパートナーとなるエンジニアリング会社と共同で立ち上げたもの。これにより、さまざまな原料や燃料に対応した柔軟性と操作性のある高いオペレーションが可能となる。引き続き、Matheson/NSHD ではグループの掲げる環境負荷低減と経済性を両立しながら新たな事業機会の獲得をめざす。

 このプロジェクトは、NSHD が戦略的かつ経済的なプロジェクトへのガス供給を通じて大きな成長を目指すことを示すものであり、グループの HyCO 事業のグローバル展開に大きく貢献する。NSHD は、成長市場である南・東南アジアでの存在感を高め、インドでの Global HYCO 事業を確立する。

 NSHDでは、カーボンニュートラル社会の実現に向け、厳選されたプロジェクトに水素、合成ガス、一酸化炭素製品を供給する Global HYCO の取り組みの下、複数の事業やプログラムを推進している。今後もこの事業をグローバルに展開することで、成長とカーボンニュートラル社会の実現に向けた機会を探求していくとしている。