星医療酸器 2023年3月期通期連結決算
在宅医療関連事業の売上高8.7%増、セグメント利益44.3%増
星医療酸器の2023年3月期通期連結決算は、売上高137億7900万円(前年同期比7.9%増)、営業利益17億7700万円(同11.4%増)、経常利益18億1700万円(同12.1%増)、親会社株主に帰属する純利益12億5300万円(同13.2%増)だった。年間配当金は中間配当30円、期末配当30円の60円。
セグメント別概況
医療用ガス関連事業
新型コロナウイルス感染症の世界規模での発生に伴い影響を受けていたが、外来・入院・手術・検査等が回復傾向にあるため、安定配送を目的とした人的資源の拡充や新規取引先拡販にも努めたことにより医療用酸素・医療用二酸化炭素の出荷量は堅調に推移した。
売上高は36億4000万円(前期比3.9%増)、セグメント利益は4億8100万円(前期比15.4%減)。
在宅医療関連事業
国の施策である在宅医療への推進を受け、患者と医療機関のニーズに応えると共に、きめの細かい営業活動を継続。コロナ禍では感染防止に努めつつ出来る限りの対応を行ったことにより「HOT(在宅酸素療法)」、「CPAP(持続陽圧呼吸療法)」共に好調に推移した。一方、利益面では世界的な原材料価格の上昇に加え、エネルギーや輸送費の高騰が続いており、自助努力による合理化に努めた。
売上高は59億7800万円(前期比8.7%増)、セグメント利益は8億3600万円(前期比44.3%増)。
医療用ガス設備工事関連事業
保守点検及びそれに伴う修繕業務は安定した売上を確保した。設備工事は補助金を活用した新規の工事受注に努め、合わせて大型物件も完工となった。
売上高は17億2500万円(前期比52.9%増)、セグメント利益は2億6400万円(前期比35.3%増)。
介護福祉関連事業
介護福祉関連機器のレンタル及び販売部門において、コロナ禍においても地域包括支援センターや居宅介護支援事業者への継続的な営業活動を図ることによりレンタル売上が順調に推移した。また訪問看護事業所は、都内3拠点を事業基盤として地域へのPR活動強化による認知度アップを図り、業績は順調に推移した。
売上高は9億6500万円(前期比3.2%増)、セグメント利益は1400万円(前期比78.9%減)。
施設介護関連事業
有料老人ホーム「ライフステージ阿佐ヶ谷(東京都杉並区)」は、24時間看護師在駐や地元医療機関との連携の更なる構築を図り、高付加価値サービスの提供と、人材育成の体制を強化した。また、入居者の多様性を把握したうえで、COVID-19の感染予防とまん延防止を第一とした施策を徹底することにより、入居者や家族へ「安心」・「安全」を提供し、入居率の向上に努めた。
通所介護施設「あしつよ・文京」(東京都文京区)、「あしつよ巣鴨」(東京都豊島区)、「あしつよ王子」(東京都北区)においても、コロナ感染防止に努めつつ地元密着のサービスの提供と顧客サービスの多様化に対応することにより稼働率アップに努めた。
売上高は3億5000万円(前期比2.5%減)、セグメント利益は2900万円(前期比191.5%増)。
今後の見通し
COVID-19の感染拡大を契機に、人々のライフスタイルや顧客の需要環境にも様々な変化が生じているとして、従来のビジネスモデルを基盤としつつも、新しい「しくみ」や「価値」に目を向け更に進化させていくことを通じて、社会に貢献する幅を広げるとしている。
また、働き方改革を軸として既成概念にとらわれない、新たな時代に対応できる企業集団となるべく実効的な取組みを強化する。グループ全従業員の安全に最大限配慮しつつ、多様な経営課題を抱える医療機関の真のビジネスパートナーとして、商品・サービスの安定供給体制の維持に努めることによりエッセンシャルワーカーとしての使命を果たす。
2024年3月期通期の連結業績予想は、売上高143億円(前期比3.8%増)、営業利益18億4000万円(前期比3.5%増)、経常利益18億8000万円(前期比3.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益13億2000万円(前期比4.4%増)を見込む。年間配当予想は、中間配当35円、期末配当35円の70円(前期比10円増配)。