マチソン、テキサス州エクター郡に新設されるDACプラント向けに酸素供給契約を締結

水酸化カリウム溶液で空気中から年間50万トンのCO2を直接回収

 日本酸素ホールディングスの米国事業会社、Matheson Tri-Gas, Inc.(本社:米国テキサス州、以下「Matheson」)は、空気中から CO2を直接回収する DAC*(Direct Air Capture、直接空気回収)事業を推進する 1PointFive 社(以下「ワンポイントファイブ」)と酸素供給契約を締結し、同社がテキサス州に初めて建設する DAC プラントに酸素を供給する。

 Matheson は、テキサス州エクター郡でワンポイントファイブが新設する DAC プラント(プラント名:『STRATOS』)向けに酸素を供給するため、空気分離装置を設置する。酸素は DAC 工程で使用され、DAC 工程で生成された CO2 は貯留層に安全に隔離される。このDAC プラントは、2025 年半ばに操業を開始し、世界最大規模である年間 50 万トンの CO2 を回収できる見込み。

DAC フローチャート
DAC フローチャート

 今回ワンポイントファイブに提案した酸素ソリューションは、Matheson のオンサイト事業部門が、同社の主要技術をもとに、エンジニアリングパートナー企業と共同で開発したもの。当ソリューションは、柔軟性と信頼性の高いプラント運営を目標とする。

 Matheson では、戦略性と経済性に優れたDACプロジェクトへの酸素ガス供給を通じて、さらなる事業成長を期待し、オンサイト事業の展開エリア拡大により、米国南部における Matheson のプレゼンスを強化する。

 日本酸素ホールディングスグループは、カーボンニュートラル社会の実現に向けて、対象となりうる顧客やプロジェクトを積極的に探索するとともに、十分に精査をしながら、事業の拡大を進めるとしている。

*DAC(Direct Air Capture、直接空気回収):今回、ワンポイントファイブが活用するのは、カナダの Carbon Engineering of Canada 社が開発した、水酸化カリウム(KOH)溶液を用いて空気中の CO2 を吸収する技術になる。