「イワタニゲートウェイ」活用のAI宅内行動検知モデルで優位性の評価

JDSCが岩谷産業と共同構築、フレイルリスク検知高度化と予防サービスの開発目指す

 JDSCは、岩谷産業と共同で構築したガス使用データと電力データを用いた宅内行動検知モデルの優位性を2023年10月に米国ハワイで開催される「2023 IEEE International Conference on Systems, Man, and Cybernetics(IEEE SMC 2023)」で論文発表する。今後は本モデルを活用し、両社でフレイルリスク検知の高度化および予防サービスの開発を目指す。

 JDSCは、2020年から電力データから外出回数や睡眠情報、活動量などの情報を抽出し、フレイル状態の人および健康な人、それぞれの生活習慣に関するパターンを大量に学習することで、高齢者のフレイル状態を検知できる「電力データ解析によるフレイル検知AI技術」(特許第6830298号)の社会実装を推進している。

 JDSCと岩谷産業は、東京大学大学院情報学環 越塚登研究室の協力のもと2022年1月から岩谷産業が展開するIoTプラットフォーム「イワタニ ゲートウェイ」を活用し、ガス使用データと電力データを用いた「外出、食事、入浴を対象とした宅内行動検知」をテーマとした実証実験を行い、4グループ7人を対象に行動検知モデルに必要なモニターによるライフログ(教師ラベル)、ガス・電力データを収集し、各世帯における対象行動有無の2分類を行うAIモデルを構築し、評価を行った。この結果、ガス使用データのみの分析でも一定精度で宅内行動検知が可能であることを解明するとともに、ガス使用データと電力データそれぞれ単独での検知に比べ、両者を組み合わせた際の行動検知の優位性を確認した。

イワタニ ゲートウェイ
イワタニ ゲートウェイ

 JDSCでは、本成果を「Application of Smart Meters for Detecting Human Activity: Concept and Case Study」として、2023年10月1〜4日に米国ハワイで開催される「2023 IEEE SMC」で論文発表するとしている。

2023 IEEE International Conference on Systems, Man, and Cybernetics(IEEE SMC 2023)

https://ieeesmc2023.org/

株式会社JDSCについて

 JDSCは、物流最適化や需要予測、フレイル検知や教育など、基幹産業を中心とした幅広い分野で、一気通貫型の高付加価値なAIソリューションを提供している。アルゴリズムモジュールの開発とライセンス提供事業、ITシステムの開発と運用事業、データサイエンスに関するビジネスマネジメント事業を行い、業界全体の課題解決にAIを活用し、日本の産業のアップグレードを目指す。