大陽日酸、米 ADDiTEC 社製 金属3Dプリンターの販売を開始
低コストかつ安全で保管が簡便なワイヤー原料を使用、レーザー利用で高速・高品位な造形
大陽日酸は、米国フロリダ州の金属3DプリンターメーカーであるAdditive Technologies, LLC(以下 ADDiTEC 社)との戦略的な業務提携を行い、同社製品の日本における販売を開始した。
今回、Laser Wire Additive Manufacturing(LWAM:レーザーワイヤー式アディティブ・マニュファクチャリング)方式※金属3Dプリンターメーカーのグローバルリーダーである米国 ADDiTEC 社が開発した最先端なプリンターの販売権を獲得し、日本で販売する。
※ Laser Wire Additive Manufacturing 方式:金属ワイヤーを使用し、エネルギー源としてレーザーを利用して積層造形を行う3Dプリンティング方式。金属粉末原料よりもコストに優れ、安全で保管が簡便なワイヤー原料を使用しておりレーザーを利用する事で高速で高品位な造形が特徴。
ADDiTEC 社の開発した「PERFORMANCE AMRC-P (製品名)」は、革新的なレーザー技術と、ロボットの制御技術を組み合わせることにより、既存工法では両立が果たせなかった大型部品の高品質かつ高速造形を実現する。
大陽日酸は、日本酸素ホールディングスの中期経営計画「NS Vision 2026~Enabling the Future~」における重点戦略の一つである「カーボンニュートラル社会に向けた新事業の探求」や、日本における産業ガス事業の成長戦略としての「ソリューションビジネスの拡大」に基づき、金属アディティブ・マニュファクチャリング(以下、金属 AM)を重点事業分野と位置付ける。そして、同社が得意とする溶接プロセス、ガス精製、熱処理などの産業ガスアプリケーション技術を金属 AM での課題解決に繋げ、革新的な商品開発や生産合理化、カーボンニュートラルに貢献する取り組みを、グローバルに推進している。
大陽日酸では、既存の日本国内を中心とした販売網を通じて、日本のものづくりにインパクトを与えうる本金属3Dプリンターを航空宇宙産業、重工業や産業機械分野に加え、自動車やエネルギー分野など幅広い市場へ展開するとともに、産業ガス事業とのシナジー効果の創出を目指すとしている。
装置の特長
- 6kW の出力を持つ革新的なレーザーを搭載し、一般的金属 AM 装置の数十倍の造形速度と密度 99.95%の高品質な造形を達成
- ロボットの制御技術を持つソフトウェアの搭載
- メルトプールモニタリングを含むプロセス制御技術を搭載
- アルミ合金、銅合金を含めた幅広い様々な金属ワイヤーを材料として使用可能
- さまざまな日本メーカー製ロボットに対応し、完全に統合されたロボット制御ソフトウェアを搭載することにより大型造形が可能
- ガスシールディング構造を持つリークタイトな造形チャンバーによりチタンなど活性金属の造形が可能
ADDiTEC 社概要
- 社名:ADDiTEC
- 本社及び工場:米国 フロリダ州
- 設立:2015 年
- 代表者:Brian Matthews 氏