コスモエネと東芝ESSがCO2電解技術のCCU実現に向け共同検討

CO2電気分解で一酸化炭素製造、副生物の酸素も製油所の省エネやCO2排出量削減に利活用

 コスモエネルギーホールディングスと東芝エネルギーシステムズ(以下「東芝ESS」)は、CO2電解技術を用いてCO2を有価物に変換するCarbon dioxide Capture and Utilization(以下「CCU」)の実現に向けた共同検討について、2023年10月30日、基本合意書を締結した。

コスモエネルギーホールディングスと東芝エネルギーシステムズ共同検討

 共同検討において、東芝ESSは、CO2を電気分解して高い転化率で一酸化炭素(CO)を製造するCO2電解技術を提供する。COは、水素と反応させることにより、化学製品やエネルギー用途に展開可能な基幹物質であるメタノールやエタノールなどのアルコール類や合成燃料等の原料となるため、CCUの実現に向けた有用な物質として注目されている。

 コスモエネルギーグループは、東芝ESSのCO2電解技術を用いて製油所等から発生するCO2由来の有価物の生産を目指す。CO2の電気分解に使用する電力については、コスモエネルギーグループが供給する再エネ由来の電力の利用を検討する。

 両社は今回の共同検討を通じて、コスモエネルギーグループの製油所等におけるCO2電解技術を用いたCCUの実現を目指す。また、CO2の電気分解による副生物として生成される酸素についても、製油所の省エネやCO2排出量の削減に資する利活用を検討していくとしている。

 コスモエネルギーグループは、「2050年カーボンネットゼロ」を宣言し、Vision2030および第7次連携中期経営計画「Oil&New ~Next Stage~」で脱炭素に関する取り組みを加速させている。本件は、Vision2030に掲げる「石油事業の競争力強化 低炭素化」に資する具体的施策の一つであり、グループ理念である「地球と人間と社会の調和と共生」の実現に向け、社会的課題の解決と企業の持続的発展を目指す。

 東芝グループは、豊かな価値の創造と地球との共生をめざした環境経営を通じて持続可能な社会の実現に貢献することを目的とし、「東芝グループ環境未来ビジョン2050」を策定した。本件は、その中の「気候変動への対応」および「循環経済への対応」に資するもので、発電所などから排出されるCO2の回収や活用に係る取り組みの一つである。東芝エネルギーシステムズは、同ビジョンに基づき、環境に配慮した製品・サービスの提供、事業活動に伴う環境負荷・リスクの低減、地域・社会に根付いた環境活動を行い、持続可能な社会の実現に貢献する。