川本産業 2024年3月期第2四半期連結決算

新型コロナの5類移行で需要減、通期見通しを下方修正

 エア・ウォーターグループで衛生材料・医療用品の製造販売を行う川本産業の2024年3月期第2四半期連結決算は、売上高146億0400万円(前年同期比3.5%減)、営業利益1億円(同64.0%減)、経常利益2億1800万円(同36.0%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益1億7800万円(同17.7%減)だった。

 2024年11月2日付で通期業績予想を修正し、売上高300億円(前年同期比1.3%減、前回予想比10億円減)、営業利益5億円(同27.8%減、同2億8000万円減)経常利益6億円(同27.3%減、同2億3000万円減)、親会社株主に帰属する純利益4億7000万円(同37.1%減、同1億0600万円減)に下方修正した。年間配当金については、前回予想18円を維持した。

 第2四半期累計期間において、新型コロナウイルス感染症の5類感染症移行で感染対策が緩和、メディカル事業、コンシューマ事業それぞれにおいて、当初想定していた以上に感染管理製品の需要が減少した。利益面では、売上高の減少に加え、原材料価格や光熱費等の上昇、円安によって輸入品価格が高騰するなど売上原価が増加し、各段階利益が減少した。また、使用期限のある感染管理製品の一部を評価減したことも利益の減少要因となった。プラス面では、コンシューマ事業における新製品のヒットや、口腔ケア製品及び手術関連製品の積極的な販売活動によって前年同四半期比で売上が増加している製品カテゴリもあるが、感染管理製品の減少をカバーするに至らなかった。

 通期の業績予想では、下期において感染管理製品の需要が大きく回復することは見込んでおらず、加えて、原材料価格の上昇や円安相場などの厳しい事業環境が継続すると見込む。

 第2四半期連結決算のセグメント別の業績は次の通り。

メディカル事業

 感染管理製品や口腔ケア製品、手術関連製品の拡販及び製造受託の拡大に努めた。売上面では、感染管理製品は新型コロナウイルス感染症の5類感染症移行により、医療従事者が使用する手指消毒剤や個人用防護具の売上が大きく減少した。口腔ケア製品、手術関連製品では、積極的な販売活動の結果、前年同期比で約7%増加した。また、医療機器等の製造受託においても、継続して受託活動に取り組んだ結果、前年同期比で約9%増加。売上が拡大した製品もあるものの、感染管理製品の減少をカバーするには至らず、減収となった。

 利益面では、物流費やその他経費の削減に取り組んだ、感染管理製品の販売価格の下落や原材料価格・光熱費等の上昇、円安による輸入製品の仕入価格高騰などにより減益となった。また、使用期限のある感染管理製品の一部を評価減したことも、セグメント利益を減少させる要因となった。

 売上高は40億9149万円(前年同期比3.0%減)、セグメント利益は1億2291万円(同9.9%減)。

コンシューマ事業

 売上面では、新型コロナウイルス感染症の5類感染症移行により、カラーマスクを除く通常のマスクの売上が大きく減少した。カラーマスクは堅調に推移しており、さらなる販売拡大を図るためにタレントを起用した広告宣伝を実施した。介護製品は、新型コロナウイルス感染症の影響は少なく、積極的な営業活動によりドラッグストア向けの販売が拡大し、前年同期比で約6%売上が増加した。その他、育児用品、口腔ケア製品、各種衛生材料及び医療用品等は、得意先ごとの増減はあるものの、堅調に推移。

 利益面では、物流費の削減に取り組んだものの、自社製品における原材料価格や光熱費等の上昇、円安による輸入製品の仕入価格高騰の影響を受けたことにより、減益となった。

 売上高は105億1282万円(前年同期比3.7%減)、セグメント利益は3億8909万円(同13.3%減)。