東京ガスとTES社、e-メタンに関する包括連携の覚書締結

e‐メタンの国際的なサプライチェーン構築

 東京ガスとTree Energy Solutions Belgium B.V.(以下「TES社」)は、e-methane*1(以下「e-メタン」)に関する包括連携の覚書を締結した。両社は、本連携に基づき、グローバルなe‐メタンの認知度向上、e‐メタンをはじめとするカーボンニュートラルに資する燃料の国際的なCO2排出カウントの制度設計に向けた働きかけに加え、e‐メタンの国際的なサプライチェーン構築に向けた取り組みを共同で行う。

 日本では、政府が掲げる「2050年カーボンニュートラル」の実現において、再生可能エネルギーの導入促進に加え、現在の需要の6割を占める熱需要に対応するガス体エネルギーの脱炭素化が重要になる。その手段の1つとして、既存のLNG受入基地やパイプラインなどの都市ガスインフラ、消費機器がそのまま活用できることから、カーボンニュートラルへのスムーズな移行と追加的な社会コスト抑制の両立が可能なe-メタンの導入が期待されている。

 さらに、欧州では、既に複数のe-メタン製造プラントが稼働しており、ドイツやフランスなどでさまざまな新規プロジェクトの検討がなされている。既存のLNG・天然ガスのインフラを有効活用しながら脱炭素化でき、現実的なトランジションが可能な打ち手として、e-メタンへの注目は高まっている。

 東京ガスは、グループ経営ビジョン「Compass 2030」で掲げたCO2ネット・ゼロの具現化に向け、再生可能エネルギー・水素・メタネーション*2・CCUS等の打ち手を組み合わせ、国内外のさまざまな事業者と連携した取り組みを推進する。

 特にe-メタンは、将来の社会実装に向けて、2030年時点で東京ガスの都市ガス販売量の1%*3に相当するe-メタン導入を目標としている。

 TES社は、ベルギーのブリュッセルに本社、欧州、北米、中東、東アジア・大洋州に拠点を置く企業。同社は世界の中で競争力のある再生可能エネルギーが入手可能な地域でe-メタンを生産・液化し、欧州や日本市場で販売することを目指す。

*1:グリーン水素等の非化石エネルギー源を原料として製造された合成メタン
*2:二酸化炭素(CO2)と水素(H2)の反応により、都市ガスの主成分となるメタン(CH4)を合成する技術
*3:卸、発電を除いた東京ガスの都市ガス販売量の1%(2020年度時 約8,000万m3

TES社の概要

社名Tree Energy Solutions Belgium B.V.(ツリー・エナジー・ソリューションズ・ベルギー社)
代表者名Marco Alvera(マルコ・アルベラ)
設立2020年9月
本社所在地ベルギー ブリュッセル