世界初、阪神港コンテナターミナルのタイヤ式門型クレーン(RTG)を水素エンジンへ換装
荷役機械高度化実証事業を開始、港湾の脱炭素化
阪神国際港湾株式会社(以下、阪神国際港湾)は、国土交通省近畿地方整備局が実施する「阪神港における荷役機械高度化実証事業委託業務」(以下、本業務 【注 1】)を受託し、商船三井が運営している神戸国際コンテナターミナル(以下、KICT)で、世界で初めてタイヤ式門型クレーン(RTG)【注 2】を水素エンジン発電機に換装し、水素を燃料とした荷役機械の稼働実証を行う。
阪神国際港湾は、KICT のオペレーターとして RTG を保有する商船港運株式会社、RTG メーカーの三井 E&S、水素エンジンメーカーの iLabo 株式会社、水素供給・運搬・充填を担う岩谷産業、コンサルテーションを担う株式会社ユニバーサルエネルギー研究所とともに、港湾のターミナルの脱炭素化に向け、水素エネルギーの安全かつ円滑な導入、 現地実証等に取り組む。
脱炭素社会の実現に向け、クリーンなエネルギーである水素への期待が世界で高まっているが、日本の港湾・臨海部においても、脱炭素化の為の港湾機能の高度化や水素等の受入環境の整備等を図るカーボンニュートラルポート(CNP)の形成が進められ、水素をエネルギー源とした荷役機械の技術開発等の取り組みが行われている。本実証事業はその中でも RTG のディーゼルエンジン発電機を水素エンジン発電機へ換装するもので、世界で初の取組み。
【注 1】①受託名称: 阪神港における荷役機械高度化実証事業委託業務、②委託者: 国土交通省 近畿地方整備局、③実施場所: 神戸市中央区港島9丁目 神戸港ポートアイランド(第2期)地区 PC15~17
(参考)実証事業全体での実施内容およびスケジュール(予定)
○実施内容:①荷役機械のディーゼルエンジン発電機の水素エンジン発電機への換装、②荷役機械に対する水素充填、③荷役機械による荷役作業の実施
○事業実施スケジュール(予定)
令和4年度~令和5年度 :実施計画立案(机上検討)
令和5年度~令和6年度 :RTG 換装、試運転(現地実証の準備に着手)
令和7年度 :現地実証(データ取得)、分析等
令和7年度~令和8年度 :技術上の基準の改定等
詳細(国土交通省ホームページURL:https://www.kkr.mlit.go.jp/news/top/press/2023/20240207-2cnpjissyou.html )
【注 2】タイヤ式門型クレーン(RTG: Rubber Tired Gantry crane):両端にタイヤ付きの脚を設け、地上にレールを設置しなくても走行可能なコンテナ運搬用クレーンのこと