エア・ウォーターがJFEスチールから東日本製鉄所(千葉地区)向け深冷空気分離プラントを受注
JFEスチール向けとして初めて受注、2026年10月運転開始予定
エア・ウォーターは、JFEスチールより、同社東日本製鉄所(千葉地区)(千葉市中央区川崎町1番地)向け深冷空気分離プラントをJFEスチール向けとしては初めて受注した。これにより、国内大手鉄鋼メーカー3社全てにおいてエア・ウォーターグループ製の深冷空気分離プラントが稼働することになる。
新プラントの製造品目と製造能力は、酸素30,000 Nm3/h、窒素 40,000 Nm3/h、アルゴン 1,000 Nm3/h、設計施工はエア・ウォーター・エンジニアリング株式会社。運転開始は2026年10月予定で、受注した深冷空気分離プラントはJFEスチールへ販売し、同社がプラントの運転を行う。
エア・ウォーターグループは、産業ガス事業の根幹技術である深冷空気分離のプロセスエンジニアリングを軸に、産業ガス発生装置や配管設備の設計・製作から施工、メンテナンスまで一貫したエンジニアリングサービスを展開している。
製鉄所では、高炉内で鉄鉱石から鉄を取り出し、付加価値の高い鉄鋼製品を製造する一連の製造工程において酸素を大量に必要とするため、深冷空気分離プラントが設置され、ガスのパイピング供給が行われる。
エア・ウォーターは1960年代より国内複数の製鉄所に向けてガス供給を開始、2000年代には、日本初の深冷空気分離プラントを開発した神戸製鋼所の深冷空気分離プラント設計・製作事業を承継しており、長期にわたり蓄積された技術や製作実績が評価された。
受注した深冷空気分離プラントは、ガス製造に関わるエネルギー効率を高めた最新鋭プラントになる。既存プラントを置き換えることで、今まで以上に高効率かつ高品質なガス生産を行うことができるとともに、CO2削減にも貢献するなど、高い環境性能を実現する。
エア・ウォーターでは、今回の深冷空気分離プラントの受注を契機として、JFEスチールグループの国内外における各製鉄所の既存深冷空気分離プラントのリニューアルや新規設置について、提案を進める。また、深冷空気分離プラントから製造することができるアルゴンに関しても、JFEスチールとの関係を更に深化させることで、需要が増加すると見込まれる半導体業界向けへの安定供給に貢献する。