日本液炭、エキヒュームS・ブンガノン・ライセントの販売を2025年3月末で終了

文化財くん蒸設備事業からも撤退

 日本液炭は、文化財くん蒸ガスのエキヒュームS、文化財施設用防虫忌避剤のブンガノン、環境管理用防カビ剤ライセントについて2025年3月31日を最終出荷日として販売を終了する。また、エキヒュームSの販売終了にともない文化財くん蒸設備事業から撤退する。

 日本液炭は1970年代から約半世紀にわたり、文化財くん蒸ガス事業を行ってきた。エキヒュームSについては、調達コストの度重なる高騰や環境配慮の観点から、将来的な文化財くん蒸ガス事業の継続は困難と判断した。ブンガノン・ライセントについても、最近の製造コストの著しい高騰により事業継続が困難と判断したとしている。販売終了にともない、ブンガノン・ライセントの付着量分析(ケミカルピース)とブンガノンの効果判定(バイオピース)についても業務を終了する。エキヒュームS・ブンガノン・ライセントのいずれも、全荷姿が対象。

 文化財くん蒸設備事業の終了では、対象となるのは日本液炭製くん蒸設備と付帯する警報器などの機材で、新規設備は対応終了、既設設備の修理・定期メンテナンスについては別途相談の上、個別対応としている。

 エキヒュームSは、酸化エチレンとHFC-134aを成分とする薬剤で文化財へ材質影響を及ぼさないことから長年の使用実績がある。ブンガノンとライセントは、炭酸ガスを希釈剤とする防虫や防カビに有効な成分を含む薬剤で、超微粒子のミストによる僅かな隙間への高い拡散性と炭酸ガスによるドライ施工が特長。