「直接還元鉄を活用した電気溶融炉による高効率溶解等技術開発」プロジェクトがNEDOグリーンイノベーション基金事業に採択
日本製鉄とJRCM、2030年までにCO2排出量を50%以上削減
日本製鉄と一般財団法人金属系材料研究開発センター(以下、JRCM)の2社は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下、NEDO)から追加公募された「グリーンイノベーション基金事業/製鉄プロセスにおける水素活用プロジェクト」に「直接還元鉄を活用した電気溶融炉による高効率溶解等技術開発」を共同提案し、2024年3月18日に採択された。
電気溶融炉は、高炉と同様の連続操業による出銑(しゅっせん)と、スラグ連続排出による不純物除去が可能な構造であることから、水素直接還元から電気溶融炉、転炉に至る一貫プロセスにおいて、低品位鉄鉱石を使用しても高品質と高生産性を両立できる製鉄プロセスとなる可能性がある。そして低品位の鉄鉱石を直接還元する技術を確立することにより、2030年までにCO2の排出量を50%以上削減する技術の開発を目指す。
「直接還元鉄を活用した電気溶融炉による高効率溶解等技術開発」プロジェクトの開発項目
【研究開発項目2】 水素だけで低品位の鉄鉱石を還元する直接水素還元技術の開発
研究開発内容[3] 直接還元鉄を活用した電気溶融炉による高効率溶解等技術開発
・低品位の鉄鉱石の水素直接還元-電気溶融炉-転炉一貫プロセスにより、高炉法プロセスを代替し得る生産効率の実現
・生成する鉄の不純物の濃度を高炉法並みに制御する技術の実証
・電気溶融炉において副生するスラグを国内セメント用途向け品質(高炉同等品質)に制御する技術の実証
- 事業名:グリーンイノベーション基金事業/製鉄プロセスにおける水素活用
- 採択テーマ:[3]直接還元鉄を活用した電気溶融炉による高効率溶解等技術開発
- 予算:230億円(NEDO支援規模)
- 期間:2024年度~2028年度(予定)
NEDO資料
https://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_101738.html
「グリーンイノベーション基金」は、2020年12月25日に経済産業省が関係省庁と策定した「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」の中で「経済と環境の好循環」を作り出すために組成された基金。