R&Iが日本酸素HDの発行体格付をAからA+に変更
収益基盤の強化と、それに伴う収益力や財務バランスの評価の向上を反映
格付投資情報センター(R&I)は2024年4月18日、日本酸素ホールディングス(NSHD)の発行体格付をA[安定的]からA+[安定的]に変更すると公表した。
R&Iでは、国内首位、世界4位の産業ガス会社であるNSHDグループの持株会社として事業子会社との一体性は強く、格付はNSHDグループの信用力を反映しているとし、三菱ケミカルグループ(証券コード:4188、発行体格付=A)の連結子会社だが、経営の独立性を確保しているとした。
成長投資やM&A(合併・買収)などの成果を着実に上げてきた結果、グローバルで分散の効いた強固な収益基盤を構築し、産業ガスを中心に取り組んできた価格マネジメントや生産性向上などの施策が成果を上げており、全体の利益・キャッシュフローの水準および安定性が一段高まっていると判断した。
ステンレス魔法瓶を中心としたサーモス事業もブランドの認知度が高く競争力がある。収益基盤が強化されており、今後も需要拡大を取り込みながらAゾーンとして十分な収益力・キャッシュフロー創出力を確保していける公算が大きくなっているとしている。
欧州事業などの買収により悪化した財務バランスは、収益力・キャッシュフロー創出力の向上と規律に沿った運営によって着実に改善が進みハイブリッドファイナンスも財務リスク評価を支える。債務とキャッシュフローのバランスや資本負債構成はAゾーンとして問題ない状態。
中期経営計画では2026年3月期にハイブリッドファイナンスの資本性を考慮した調整後ネットD/Eレシオ(純有利子負債の自己資本に対する倍率)を0.7倍以下まで改善させる方針で、達成に向けて順調に進捗しているとし、収益基盤の強化と、それに伴う収益力や財務バランスの評価の向上を反映し、発行体格付をA+に変更した。