大陽日酸、レゾナックの排ガス処理装置事業の譲受で合意
日本と台湾で提案力強化、サプライチェーンのシナジー効果で収益向上目指す
大陽日酸とレゾナックは2024年12月24日、 レゾナックグループが日本と台湾において営む排ガス処理装置事業の大陽日酸への譲受(以下、本譲受)について合意した。本契約は、(1)レゾナックの本事業を同社の完全子会社である株式会社クリーンエス昭和(以下、対象会社)に吸収分割し承継した上で、対象会社の発行済全株式を大陽日酸が譲受する契約及び、(2)レゾナックの子会社である台灣力森諾科特殊氣體股份有限公司の本事業を、大陽日酸の子会社である大陽日酸系統科技股分有限公司が譲受する内容となる。本譲受は、本契約に定める前提条件が満たされることを条件とし、2025年6月の完了を予定。本譲受による大陽日酸と日本酸素ホールディングス、レゾナックへの業績への影響は軽微と見込む。
本譲受により大陽日酸は日本及び台湾において排ガス処理装置の提案力を強化し、製品ラインナップの充実を図る。また、大陽日酸の広範な販売ネットワークを活用し、地球温暖化の原因となる温室効果ガス排出量削減に向けた需要を開拓する。さらにサプライチェーンにおけるシナジー効果の実現により効率性・収益性の向上を目指すと同時に、排ガス処理装置事業のさらなる付加価値の向上に取り組む。
レゾナックグループは、旧昭和電工時代の1985年に業界で初めて排ガス処理装置の開発、販売を開始し、半導体製造のドライエッチング工程において発生する有害酸性ガスや地球温暖化の原因となるPFCガス(パーフルオロカーボンガス)を安全でクリーンなガスとして排出できる装置をはじめ、顧客ニーズに応じた排ガス処理装置を供給してきた。
同社の排ガス処理装置は市場のトレンドをリードしていたが、顧客要求の変化や新たな競合の参入といった外部環境の変化の中で、大手産業ガスメーカーであり本事業も手掛ける大陽日酸のもとで事業拡大を図ることが、レゾナックの取引先及び各ステークホルダーにとって最適であると判断した。排ガス処理装置の製造販売に実績のある大陽日酸が既存事業と一体で、積極的かつ戦略的に当該事業を推進することで、本事業のさらなる成長と競争力の強化を実現されるものと確信するとしている。
各社の概要
株式会社クリーンエス昭和
(1)名称 | 株式会社クリーンエス昭和 |
(2)所在地 | 神奈川県川崎市川崎区扇町 5 番 1 号 |
(3)代表者の役職・氏名 | 代表取締役社長 須崎 研二 |
(4)事業内容 | 排ガス除害装置の製造及びメンテナンス |
(5)大株主及び持株比率 | 株式会社レゾナック(100%) |
台灣力森諾科特殊氣體股份有限公司
(1)名称 | 台灣力森諾科特殊氣體股份有限公司 |
(2)所在地 | 台北市中山区南京東路二段 125 號 14 樓 |
(3)代表者の役職・氏名 | 董事長 呉盧漢檉 |
(4)事業内容 | 電子工業用材料ガス、高純度溶剤の輸入、製造及び販売、排ガス除害装置の製造、販売及びメンテンナス |
(5)大株主及び持株比率 | 株式会社レゾナック(55%) 永聖貿易股份有限公司(45%) |
大陽日酸系統科技股分有限公司
(1)名称 | 大陽日酸系統科技股分有限公司 |
(2)所在地 | 新竹縣湖口鄉新竹工業區光復北路 74 號 |
(3)代表者の役職・氏名 | 董事長 富田育典 |
(4)事業内容 | 機器の製造、半導体関連配管工事 |
(5)大株主及び持株比率 | 大陽日酸株式会社(73%) 大陽日酸エンジニアリング株式会社(25%) 台湾日酸股分有限公司(2%) |