エア・ウォーター、ヘルス&セーフティー(医療関連)事業の総合拠点「東日本メディカルセンター」を埼玉県狭山市内に新設
新工場併設、医療機器製造ラインを従来の1.5倍に増設。2025年5月1日にエア・ウォーター・メディカルの本社を移転
エア・ウォーターグループは、主力となる酸素濃縮装置の製造・メンテナンス体制とともに、新たな医療機器・介護用製品の開発・製造体制のさらなる強化に向け、新工場を併設したヘルス&セーフティー(医療関連)事業の総合拠点「東日本メディカルセンター」を埼玉県狭山市内に建設した。2025年5月1日にエア・ウォーター・メディカル株式会社(本社:埼玉県狭山市、中山 恵嗣 代表取締役社長)の本社を移転し、稼働を開始する。投資額は30億円。
エア・ウォーターグループは、従来の医療という枠に収まることなく、人々の健康増進、医療従事者の負担軽減、在宅患者のQOL(生活の質)向上に向けて、中核会社であるエア・ウォーター・メディカルが医療機器・介護用製品の開発・製造・販売・保守の一貫体制を構築し、医療現場の様々なニーズを捉えた製品開発に注力してきた。
国内の医療を取り巻く環境は、超高齢社会に対応した「地域包括ケアシステム」の構築が進められ、在宅医療の重要性も高まっている。団塊の世代が後期高齢者となる「2025年問題」を迎える中、在宅酸素療法(HOT)の対応件数も増加が見込まれ、医療従事者の負担軽減や在宅患者のQOL向上につながる製品の開発から市場導入までのスピードアップとともに、安定供給体制の強化が急務となっている。
こうした需要に対応すべく、新工場では酸素濃縮装置や在宅中心静脈栄養法(HPN)ポンプなどの医療機器の製造ラインを従来の1.5倍に増設する。エア・ウォーター ウェルネス開発センターの開発エリアを設け、開発から販売までの一貫体制をより強化することで、使いやすさ・省力化・DX推進など医療現場の様々なニーズをこれまで以上に的確に捉えた製品開発に注力する。また、これまで埼玉県内に分散していた呼吸器関連の医療機器の保管・メンテナンス拠点である医療機器センターや、エア・ウォーター防災株式会社の関東センターを新拠点に集約し、サービス運用の効率化を図る。
NTKメディカルの全株式を譲り受け、グループ化
さらにHOT事業の強化に向けて、エア・ウォーターは2025年4月1日付で酸素濃縮装置を手掛けるNTKメディカル株式会社(本社:愛知県小牧市)の全株式を譲り受け、同社をグループ化し、「エア・ウォーター・バイオデザイン株式会社」に社名変更する。エア・ウォーター防災 美和事業所(愛知県あま市)内に本社を移転し、これまで関東地方に集中していたグループのHOT事業拠点を西日本方面にも展開することで、製造・メンテナンス体制の強化とともにBCP(事業継続計画)対策にもつなげる。また、同社の技術力を融合し新製品の早期市場導入も目指す。
「東日本メディカルセンター」の概要
- 名称:エア・ウォーター「東日本メディカルセンター」
- 所在地:埼玉県狭山市新狭山1丁目5番20号
- 面積:敷地面積 4,803.2㎡ 建物面積9,568㎡
- 建物構造:鉄構造 地上5階
- 最大収容人数:150名
- スケジュール:2024年2月着工、2025年2月竣工、2025年5月1日開所
- 製造品目:酸素濃縮装置、在宅中心静脈栄養法ポンプ、一酸化窒素ガス管理システム、高気圧酸素治療装置、電子聴診器などの医療機器
- 投資額:30億円
NTKメディカルの概要
- 社名:NTKメディカル株式会社 ※2025年4月1日付でエア・ウォーター・バイオデザイン株式会社に商号変更
- 創設:2020年10月(2021年4月に日本特殊陶業株式会社より事業分割、営業開始)
- 代表者:代表取締役社長 小林 靖司(2025年4月1日就任)
- 本社:愛知県あま市花正郷中25番地
- 資本金:310百万円
- 売上高:9億円(2024年3月期)
- 従業員数:19名
- 事業内容:医療用酸素濃縮装置の製造・販売・メンテナンス
- 株式譲受日:2025年4月1日
- 出資比率:発行済株式総数の100%