小池酸素工業 2025年3月期通期連結決算
2026年3月期通期業績予想は売上高550億円(0.4%減)、経常利益56億円(7.4%減)、減収減益
小池酸素工業の2025年3月期通期連結決算は、売上高552億0600万円(前年同期比7.4%増)、営業利益54億4800万円(同26.3%増)、経常利益60億4600万円(同17.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益36億3300万円(同18.9%増)だった。主需要先である造船業界は高い水準の手持ち工事量を維持しているものの、建設業界では鉄骨、橋梁需要が減少し、産業機械業界では市況は低調に推移した。直近の配当予想を修正し、期末配当を220円から260円に40円増配した。
セグメント別業績
機械装置
11月に「2024 KOIKEプライベートフェア」を開催し、DBC(Dual Beam Control)ファイバーレーザー切断機の納入ユーザーによる講演会や新たな切断技術である「厚板CW切断」による軟鋼40mmの高品質切断の実演等により、多数の引き合いを獲得した。また、自動化、省力化、IT化などの課題解決を実現する新製品を販売開始し新規顧客の獲得が進んだ。海外市場においてはサウジアラビアの新造船所向けの設備納入が進んだことにより、売上高は増加した。売上高は258億8500万円(前期比16.8%増)、セグメント利益は49億3100万円(同45.8%増)。
高圧ガス
産業ガス分野においては、原材料や物流コストの高騰等に伴う価格改定、深耕拡大および新規拡販活動に注力した。医療分野においては、仕入価格の上昇等に伴う価格改定、CPAPレンタルや院内感染防止対策機器の営業活動を強化したことにより、売上高は増加しましたが、セグメント利益は減少。売上高は204億円(前期比1.5%増)、セグメント利益は13億7200万円(同5.7%減)。
溶接機材
新商品であるファイバーレーザー溶接機の販売に成果があったが、建設・産業機械業界の需要低迷や輸入商材の価格高騰を背景に溶接材料などの出荷量が減少したことにより、売上高、セグメント利益とも減少した。売上高は81億6400万円(前期比2.2%減)、セグメント利益は5億8300万円(同3.6%減)。
その他
海外向けの排ガス処理装置の販売は好調に推移したが、ヘリウム回収精製装置の受注が減少したことにより、売上高、セグメント利益とも減少した。売上高は7億5600万円(前期比3.1%減)、セグメント利益は1億9200万円(同16.7%減)。
今後の見通し
機械装置部門においては、オンリーワン技術のDBC(Dual Beam Control)ファイバーレーザー切断機の更なる販売強化に努めていくとともに、機械性能向上並びに切断現場の自動化、省力化、IT化などを目指した研究開発に注力する。また、海外市場においてもDBCファイバーレーザー切断機の販売を強化する。
高圧ガス部門においては、機械との一体販売の更なる推進などにより新規顧客の獲得に取り組むとともに、原材料および物流コスト上昇等に伴う価格改定に取り組む。また、将来に向けたガス事業の構造改革として充填工場の再構築や配送の合理化を推進し、安全、安定供給および原価低減を図る。医療分野においては、酸素濃縮器レンタル、CPAPレンタルなどの強化と、原材料等のコスト上昇に伴う価格改定に取り組む。
溶接機材部門においては、アーク溶接機、ファイバーレーザー溶接機、溶接材料等の新製商品を、人手不足や脱技能化といった課題解決に資する商材として拡販に努める。また、資材や運送費等の仕入価格高騰等に伴う商品価格の改定に取り組む。
その他の部門においては、カーボンニュートラル時代を見据えた新製品として、水素を燃料とした排ガス処理装置の開発に取り組む。また、ヘリウム液化関連機器の受注、半導体市場向けヘリウム回収精製装置の開発など、ヘリウムリサイクル事業の拡大に取り組む。
2026年3月期の通期連結業績予想は、売上高550億円(前年同期比0.4%減)、営業利益51億円(同6.4%減)、経常利益56億円(同7.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益32億円(同11.9%減)を見込む。配当予想は期末配当48円、年間配当金48円とした。(2025年4月1日付で普通株式1株につき5株の割合で株式分割を実施)