理研計器 2025年3月期通期連結決算

2026年3月期通期業績予想は売上高520億円(6.0%増)、経常利益118億円(8.9%増)、増収増益

 理研計器の2025年3月期通期連結決算は、売上高490億3800万円(前年同期比7.6%増)、営業利益106億4200万円(同7.3%減)、経常利益108億3000万円(同11.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益80億0700万円(同4.4%減)だった。直近の期末配当予想を修正し、20円から25円に5円増配した。中間配当20円を加えた年間配当金は45円。

 主要顧客である半導体業界の在庫調整局面からの回復はまだらに推移しているが、生成AI向け半導体の需要急増に向けた先端半導体投資等中長期的には成長が見込まれている。理研計器グループでは「中期経営計画 2024年3月期~2026年3月期」の2年目において「変化への対応・海外市場の強化」を方針に掲げ、人と技術の力による、マーケティング体制の強化と新領域の開拓とともに、脱炭素・カーボンニュートラルやIoTに対応する新技術の開発への取り組みを進めた。

 顧客の納期要求や製品に求められる認証取得に適確に応えるべく、品質(Quality)、コスト(Cost)、納期(Delivery)の維持向上に取り組むとともに、中長期的な視点に立って海外半導体業界で主流の多点テープ式ガス検知警報機器の開発や、営業部門の組織変更や認証管理部門の新設を行い競争力の強化に努めた。さらに海外市場シェアの拡大を図るため、海外子会社へ人材を積極的に派遣するなど、海外子会社の体制の充実を進めた。また、中長期的な企業価値向上の観点から、サステナビリティを巡る課題にも積極的に取り組み、SDGs、脱炭素化を意識した開発・生産・販売・アフターメンテナンスサービス活動に努めた。

機種別売上の概況

定置型ガス検知警報機器

 主要顧客である国内及び東アジア地域の半導体工場の在庫調整、中国の経済不況の影響を受けたものの、国内の更新案件等が堅調に推移したことから、売上は増加した。またガス業界、船舶業界向けの売上が堅調に推移した。アフターメンテナンスサービスも好調に推移。売上高は311億8500万円(前連結会計年度比3.8%増)。

可搬型ガス検知警報機器

 主力機種であるポータブルガスモニター「GX-3Rシリーズ」が、国内・海外の工場、船舶、ガス業界向けを中心に幅広く売上を伸ばした。アフターメンテナンスサービスも堅調に推移した。売上高は165億0500万円(前連結会計年度比15.1%増)。

その他測定機器

 売上高は、13億4700万円(前連結会計年度比14.3%増)。

今後の見通し

 主要顧客である半導体業界では、設備投資再開への前向きな兆しはあるものの、先行きについては当面の間は不透明な状況が続くと見込まれる。2026年3月期通期業績予想は売上高520億円(前年同期比6.0%増)、営業利益120億円(同12.8%増)、経常利益118億円(同8.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益86億円(同7.4%増)。年間配当金予想は、中間配当25円、期末配当25円の合計50円を見込む。