日本酸素HD 2026年3月期第1四半期連結決算(IFRS)

全体として販売動向はやや軟調、価格マネジメントと生産性向上活動の徹底で収益を確保

 日本酸素ホールディングスの2026年3月期第1四半期連結決算は、売上収益3147億5800万円(前年同期比4.4%減)、コア営業利益456億2000万円(同5.7%減)、営業利益455億4700万円(同5.1%減)、親会社の所有者に帰属する四半期純利益283億9500万円(同2.4%減)だった。通期業績予想と年間配当金予想に修正はない。

 販売動向はやや軟調、グループ全体における製商品の出荷数量は前年同期比で減少した。グループ全体としては、コスト上昇による販売価格への転嫁等の価格マネジメント、地域ごとに生産性向上プログラムに継続的に取り組んだ。

 為替影響は、期中平均レートが前年同期に比べ、米ドルで158円24銭から143円75銭へと14円49銭(前年同期比9.2%)の円高、ユーロで170円8銭から165円13銭へと4円95銭(同 2.9%)の円高となるなど、売上収益は全体で約142億円、コア営業利益は全体で約22億円少なく表示されている。

セグメント業績

セグメント利益はコア営業利益で表示

日本

 産業ガス関連では、主に炭酸ガス、パッケージガス、電子材料ガスの価格マネジメント効果があったものの、セパレートガスをはじめとするガスの出荷数量が減少し減収。機器・工事では、エレクトロニクス関連は中大型案件の工事の進捗に伴う売上等により、増収だったが、産業ガス関連は減収となった。一方、セグメント利益は、価格マネジメント効果や電力代の落ち着きが寄与し、増益。
 売上収益は974億1700万円(前年同期比3.5%減)、セグメント利益は133億6900万円(同 15.6%増)。

米国

 産業ガス関連では、主に価格マネジメント効果により、増収となったものの、セパレートガス以外の製商品の出荷が低調だった。機器・工事では、産業ガス関連、エレクトロニクス関連共に減収。セグメント利益は、価格マネジメント効果や生産性向上への取組みがあったものの、主に為替の影響や、製商品の出荷数量減少の影響を受け、減益となった。
 売上収益は839億7000万円(前年同期比 9.3%減)、セグメント利益は114億5900万円(同 22.6%減)。

欧州

 産業ガス関連では、価格マネジメント効果があったものの、セパレートガスをはじめとするガスの出荷数量が減少し減収。機器・工事では、前期に買収したイタリアのプラントエンジニアリング会社の売上収益が加わったことが寄与し、増収となった。セグメント利益は、価格マネジメント効果や生産性向上への取組みがあったものの、主に為替の影響や、ガスの出荷数量減少の影響を受け、減益。
 売上収益は824億1600万円(前年同期比 3.1%減)、セグメント利益は160億3800万円(同 3.6%減)。

アジア・オセアニア

 産業ガス関連では、前期に取得したオーストラリアのLPガス販売事業の寄与や、価格マネジメント効果があったものの、為替の影響や、製商品の出荷数量の全体的な減少により減収。エレクトロニクス関連では、機器・工事が堅調に推移し、増収となった。セグメント利益は、主に為替の影響や、製商品の出荷数量減少の影響及び一部地域で人件費等のコスト上昇を受け、減益となった。
 売上収益は、423億0100万円(前年同期比 0.3%減)、セグメント利益は34億4200万円(同 20.4%減)。

サーモス

 日本では、機能的でスタイリッシュなデザインを特徴とする新製品の上市により、増収となったが、韓国では減収だった。セグメント利益は、日本における売上収益の増加に加え、継続的なコスト削減により、増益。
 売上収益は、86億4300万円(前年同期比 4.6%増)、セグメント利益は17億2000万円(同 38.6%増)。