日本酸素HD 2026年3月期第2四半期連結決算(IFRS)

年間配当予想を4円増配し58円に上方修正。全体として販売動向はやや軟調、グループ全体の製商品出荷数量は前年同期比で減少

 日本酸素ホールディングスの2026年3月期第2四半期連結決算(IFRS)は、売上収益6508億2900万円(前年同期比1.2%増)、コア営業利益942億5700万円(同0.8%増)、営業利益942億0400万円(同14.2%増)、親会社の所有者に帰属する中間利益574億2600万円(同16.7%増)だった。通期の業績予想は据え置いたが、中間配当金を直近予想の27円から2円増配の29円、期末配当予想を前回予想の27円から2円増配の29円に修正、年間配当金予想を4円増配し、58円(前期実績は51円)とした。

 全体として販売動向はやや軟調、グループ全体の製商品の出荷数量は前年同期比で減少した。コスト上昇による販売価格への転嫁等の価格マネジメント、地域ごとに生産性向上プログラムに継続的に取り組んだ。日本ではエレクトロニクス関連機器・工事の進行に加え、価格マネジメントが寄与した。米国では数量回復の兆しはあるが、コスト上昇の影響を受け、セグメント利益率は13.2%(前年同期は15.8%)に低下した。

 為替影響は、期中平均レートが前年同期に比べ、米ドルで152円45銭から146円7銭へと6円38銭(前年同期比4.1%)の円高、ユーロで165円83銭から168円68銭へと2円85銭(同1.7%)の円安となるなど、売上収益は全体で約79億円、コア営業利益は全体で約11億円少なく表示されている。

セグメント業績

セグメント利益はコア営業利益で表示

日本

 産業ガス関連では、主に炭酸ガス、パッケージガス、電子材料ガスの価格マネジメント効果があったものの、セパレートガスをはじめとするガスの出荷数量が減少し、減収。機器・工事では、エレクトロニクス関連は中大型案件の工事の進捗に伴う売上等により増収だが、産業ガス関連は減収だった。一方、セグメント利益は、価格マネジメント効果や電力代の落ち着きが寄与し、増益。売上収益は、1946億9800万円(前年同期比 0.1%減少)、セグメント利益は、264億3000万円(同 20.2%増加)。

米国

 産業ガス関連では、価格マネジメント効果により為替の影響を除くと増収となったものの、セパレートガス以外の製商品の出荷が低調だった。機器・工事では、産業ガス関連、エレクトロニクス関連共に減収。セグメント利益は、価格マネジメント効果や生産性向上への取組みがあったものの、コストの上昇や、製商品の出荷数量減少の影響を受け、減益となった。売上収益は、1725億8600万円(前年同期比 3.9%減少)、セグメント利益は、231億2100万円(同 19.1%減少)。

欧州

 産業ガス関連では、価格マネジメント効果があったものの、セパレートガスをはじめとするガスの出荷数量が減少し、減収。機器・工事では、前期に買収したイタリアのプラントエンジニアリング会社の売上収益が加わったことが寄与し、増収となった。セグメント利益は、ガスの出荷数量減少の影響を受けたものの、価格マネジメント効果や生産性向上への取組みにより、増益。売上収益は、1679億3900万円(前年同期比 1.5%増加)、セグメント利益は、327億0200万円(同 2.7%増加)。

アジア・オセアニア

 産業ガス関連では、前期に取得したオーストラリアのLPガス販売事業、今期に取得したオセアニア地域における産業ガス事業の寄与により、増収。エレクトロニクス関連では、機器・工事が堅調に推移し、増収となった。セグメント利益は、売上収益の増加により増益。当期に取得したオセアニア地域における買収事業の取得関連費用を当中間連結会計期間に計上した。売上収益は、985億1600万円(前年同期比 13.8%増加)、セグメント利益は、89億5500万円(同 1.4%増加)。

サーモス

 日本では、猛暑の影響によりスポーツボトルの販売が堅調に推移したこと、機能的でスタイリッシュなデザインを特徴とする新製品の上市もあり、増収となったが、韓国では減収となった。セグメント利益は、日本における売上収益の増加、継続的なコスト削減、米ドル安に伴う製造コスト低減により、増益。売上収益は、170億6900万円(前年同期比 3.8%増加)、セグメント利益は、34億8700万円(同 28.0%増加)。