産学連携で北海道の自然と未来をつなぐ、地球環境カードゲーム「マイアース北海道パッケージ(陸)」が完成

エア・ウォーターグループの「水素エネルギー事業」と牛のふん尿を利用する「液化バイオメタン(LBM)事業」の2種類をカード化

 エア・ウォーターグループのエア・ウォーター北海道は、北海道大学社会連携サークル「きづき/きずき」の学生が制作し、国立大学法人北海道国立大学機構(小樽商科大学・帯広畜産大学・北見工業大学)の教員が監修した地球環境カードゲーム「マイアース北海道パッケージ(陸)」(以下:本パッケージ)が完成したと発表した。マイアースは、産学連携で進める地域教育プログラムとして、子どもたちが遊びながら環境やエネルギーの仕組みを学び、脱炭素社会の実現に向けた意識を育むことを目指している。

マイアース北海道パッケージ(陸)
パッケージデザイン

 「マイアース」は、地球を守る「生態系チーム」と、温暖化を進める「地球破壊チーム」に分かれて対戦する教育用カードゲーム。遊びながら地球環境や生態系のつながりを学べる仕組みになっている。プレイヤーは、生き物や人の活動カードを組み合わせ、自然と人との関係や環境変化の影響を体感的に理解できる。
 マイアースには、日本各地の自然や文化をテーマにした「地域パッケージ」が存在し、北海道内でも「釧路湿原パッケージ」や「苫小牧市パッケージ」などが制作されている。今回、エア・ウォーター北海道は北海道内の自治体や子供たちに向けて「北海道パッケージ(陸)」を新たに制作した。
 本パッケージでは、キタキツネやエゾアカガエルなど北海道固有の生き物を中心に構成。生き物同士のつながりを学ぶ中で、気温の変化や生息環境の劣化がどのように影響するのかを理解でき、脱炭素の必要性を「生態系の視点」から学べる構成になっている。
 本パッケージは、北海道内の大学生がファシリテーターとなり、自治体や小・中学校に出向く新しい地域教育プログラムとともに提供する。道内の高校や大学がない地域では、外部との交流機会が少なく、学びの格差や進路意識の低下が課題となっており、本パッケージを通じて、大学生との交流から子どもたちに「学ぶ楽しさ」や「未来を考えるきっかけ」を提供し、環境への関心と地域の人材育成につなげる。

エア・ウォーターグループが描く“未来のエネルギー”を企業カードとして収録

 本パッケージには、エア・ウォーターグループの環境・エネルギー事業を紹介する「企業カード」が含まれる。「水素エネルギー事業」と、牛のふん尿を利用する「液化バイオメタン(LBM)事業」の2種類をカード化し、地域の資源を活かして地球にやさしい未来を創る企業の取り組みを、子どもたちが自然に学べる内容とした。

AWカード:「液化バイオメタン(LBM)」
AWカード:水素エネルギー


産学官金が連携する地域共創のかたち

 エア・ウォーター北海道は、札幌市のオープンイノベーション拠点「エア・ウォーターの森」を中心に、企業・大学・自治体・金融機関が連携する地域共創のプラットフォームを展開している。本パッケージの制作は、その取り組みの一環として、教育と脱炭素の両面から地域に貢献するプロジェクトで、今後は、道内各地での授業活用や自治体との連携を通じて、学びと環境の共創モデルを広げていくとしている。

マイアース北海道パッケージ(陸)の参加・協力団体

  • 発行:エア・ウォーター北海道株式会社
  • 制作:北海道大学社会連携サークル「きづき/きずき」
  • 監修:国立大学法人 北海道国立大学機構(小樽商科大学 商学部 片山昇教授、帯広畜産大学 環境農学研究部門 浅利裕伸准教授、北見工業大学 社会環境系 亀田貴雄教授)
  • 印刷:大日本印刷株式会社
  • 協力:NPO法人SoEla
  • パッケージデザイン:株式会社TAM

制作プロセスについて

 本パッケージは、北海道大学社会連携サークル「きづき/きずき」の学生がカードの内容についてアイデア発想・考案し、国立大学法人北海道国立大学機構の教員が学生のアイデアに対して指導・助言を行う形で制作した。
 国立大学法人北海道国立大学機構オープンイノベーションセンター(ACE)は、2024年12月の「エア・ウォーターの森」オープンに合わせ、施設内に札幌サテライトを開設。さらに2025年2月同機構とエア・ウォーター北海道は「北海道の地域課題解決に向けたオープンイノベーションの推進」に関する包括連携協定を締結している。今回制作したカードは、この協定に基づく初の連携プロジェクト。
 2025年7月にエア・ウォーターの森で開催したワークショップでは、三大学の教員による専門的知見をもとに、学生が生態系の食物連鎖や自然環境保全に関するアイデアを発想。その後、教員の助言を受けて内容をブラッシュアップし、カードが完成した。

ワークショップの様子