日本酸素ホールディングス、4ヵ年中期経営計画『Next Innovation 2030~Evolving for the Future~』を策定

最終年度2030年3月期目標は売上収益15,000~15,750億円、コア営業利益2,500~2,750億円、コア営業利益率≧17.0%

 日本酸素ホールディングス(濱田敏彦 社長 CEO)は、2030 年3月期を最終年度とする4ヵ年の中期経営計画『Next Innovation 2030~Evolving for the Future~』を策定した。スローガン「Evolving for the Future」のもと、未来へ向かって進化し続ける段階へとステージを引き上げる。重点戦略は、①産業ガス事業の収益力の強化、②エレクトロニクス事業の拡大、③将来の成長ドライバーの創出。新中計の4年間で着実な事業収益の拡大と将来の成長ドライバーの創出に挑戦し、グループ理念にも通じる日本酸素ホールディングスの DNA の一つである進取の気概(イノベーションマインド)と、さらなる技術力の強化により、産業・社会を取り巻く環境変化に適応、未来の課題に対処しうる企業への進化をめざす。
 前中期経営計画『NS Vision 2026~Enabling the Future』は、純粋持株会社制移行後初の経営計画として、未来の成長を支える基盤づくりに重点を置いた。この4年間での重点戦略の着実な実行により当初計画をおおむね上回る成果を挙げ、次の成長に向けた土台が整いつつあるとしている。

中期経営計画『Next Innovation 2030』の概要

(1)重点戦略

 重点戦略の実行においては、グループ会社の強みを共有しシナジーを高めるグループ横断のプロジェクトとして、Center of Excellence体制を導入する。
① 産業ガス事業の収益力の強化
・オペレーショナル・エクセレンスの拡大によるベストプラクティス共有の加速
・レジリエント事業の拡大
② エレクトロニクス事業の拡大
・Total Gas Supply Solutionsのグローバル展開の加速
・先端材料分野への重点投資
・新たな地域への参入
③ 将来の成長ドライバーの創出
・イノベーションマインドのさらなる醸成
・グローバルな事業開発・研究開発体制の拡充によるイノベーションの加速

(2)重点戦略を支える経営基盤の進化

① 人的資本価値の創造
・「Opportunities」「Fairness」「Well-being」を中核とした従業員エンゲージメントの向上
・次世代幹部育成に向けた多様なリーダー、人財パイプラインの充実

② ブランディング
・社名の統一とともにグループ理念・ビジョンの一層の浸透を図る
・企業価値を継続的に高める無形の経営資産として当社ブランドを確立させることをめざす
③ サステナビリティ
・コンプライアンス、保安対策等の社内経営基盤をさらに強化
・レジリエント市場等において、環境・社会解決型ビジネスを拡大
・従業員のWell-beingやエンゲージメントを高め、人的資本を充実
④ DX
・IT戦略室の設立
・データとAIを戦略的推進力とする技術ロードマップの策定
・AI倫理、サイバーセキュリティの原則を核に据えた、プロジェクトマネジメントによるガ
バナンス強化
⑤ エンジニアリング
・ASU*エンジニアリング機能のグローバル連携による競争力強化
・エンジニアリングのグループサポート機能の充実
*ASU:Air Separation Unit(空気分離装置)
⑥ 技術・事業開発戦略
・グループにおけるイノベーションマインドセットとテクノロジードリブンな文化を醸成
・事業ポートフォリオ変革に向けたプログラム開発
・低炭素排出型HYCO*
・新規ガスアプリケーション
*HYCO:天然ガス等から分離される水素・一酸化炭素をパイプラインで大規模供給する事業

(3)セグメント別戦略

 (1)のグループ重点戦略を軸にしながら以下のセグメント別戦略を遂行する。
産業ガス事業及びエレクトロニクス事業の重点戦略
① 日本
・産業ガスに加え、ガスを起点とした革新的な事業の拡充をめざしたポートフォリオの実現
・エレクトロニクス事業の拡大と研究開発力の強化
・革新事業(安定同位体、アディティブ・マニュファクチャリング)の拡大
② 米国
・プラント稼働効率の向上
・事業密度の向上
・エレクトロニクス材料ガス・機器事業の拡大
③ 欧州
・産業ガス事業のフットプリント拡大
・エレクトロニクス事業(機器、トータル・ガス&ケミカル・マネジメント含む)の強化
・カーボンニュートラル等の革新的な事業の拡大
・ヘルスケア事業の拡大
・DX、ロボティクスの活用
④ アジア・オセアニア
・ガス事業の強化(アプリケーション含む)
・エレクトロニクス事業の強化
・HYCO事業の機会追求
・急成長をサポートするガバナンス体制の拡充
サーモス事業
⑤ サーモス

・魔法びんを核とした保温・保冷容器にとどまらず、生活全体に寄り添う多様な製品・サービスを提供する「ライフスタイルブランド」への進化
・サステナビリティを企業文化として確立し、それを支える事業変革の実現
・グローバル市場でのさらなるブランド力強化とパートナーシップ構築を通じて海外展開を推進

数値目標

(1)財務KPI

 グローバル経済の不確実性を踏まえ、売上収益・コア営業利益及びEBITDAは範囲表記。(想定為替レート:150円/米ドル、175円/ユーロ)

2026年3月期予想 最終年度目標(2030年3月期)
売上収益 [億円]13,300 15,000~15,750
コア営業利益 [億円]1,960 2,500~2,750
コア営業利益率14.7% ≧17.0%
EBITDA[億円] 4,000~4,400
EBITDAマージン(連結) 24.2% ≧26.5%(セグメント別目標≧19.0%)
EBITDA純有利子負債倍率※ ≦1.5
ROCE after Tax ≧8.0%
※EBITDA純有利子負債倍率:財務健全性を示す指標であり、純有利子負債/EBITDAで算出。

(2)サステナビリティKPI

最終年度目標(2030年3月期)
GHG排出量削減率※1,2 9%(FYE2031)
環境貢献製商品・サービスの提供によるGHG削減貢献量の増加率※330%
サステナブルビジネス売上の増加率※330%
生産単位あたりの取水量削減率※310%
生産単位あたりの廃棄物削減率※310%
休業災害度数率≦1.3
女性管理職比率≧22%(FYE2031)
女性従業員比率 ≧25%(FYE2031)
持続可能なエンゲージメントスコア≧83
コンプライアンスサーベイスコア≧80
※1 長期目標(FYE2036):21%、※2 基準年度:FYE2019、※3 基準年度:FYE2025

4.資本配分の考え方