国内初の産業ガス製造プラントの遠隔監視・支援システム稼働

 エア・ウォーターは、全国各地に設置する約230基ある産業ガス製造プラントを一元的に集中監視するシステムを開発し、2016年4月より大阪府堺市にて運用を開始する。こうした全国規模かつ、24時間体制でのプラントの運転状況や製品品質を一元的に遠隔監視するシステムの導入は、国内初の取り組みとなる。
 これによりエア・ウォーターのガス供給は、緊急時においてもより迅速な支援体制が構築され、これまで培ってきたプラントの技術力、ガス供給のバックアップの機動力と相まって、極めて高い水準の安定供給体制が整うことになる。

 エア・ウォーターは1983年、プラントの運転からガス供給、設備の維持管理、緊急時のバックアップまで、どのようなときも決してガスを切らさない、トータルでガスの安定供給と品質を保証する仕組み「ガストータルシステム」を開発した。このユニークなビジネスモデルにより、エレクトロニクス分野を中心に設置したV1装置によるミニオンサイトガス供給から、電炉や製紙むけPSAガス供給、さらには高炉向け大型オンサイトガス供給まで、ガストータルシステムによる特長あるビジネスモデルが幅広い産業へと浸透した。
 その後、V1装置開発以降培ってきた「技術力」に加え、さらにその技術を応用し開発した高効率小型液化酸素窒素製造装置VSUを全国12ヵ所に設置しバックアップ体制を整えることで「支援力」を高め、ガストータルシステムのサービス体制を強化してきた。
 今回、遠隔監視・支援センター運用開始による「対応力」が加わることで、エア・ウォーターが目指す国内において他にはない安定供給体制「ガストータルシステム」を完成する。

【プラント遠隔監視・支援センターの機能・役割】
①24時間体制でのガス製造管理の集約化を実現
②プラントの運転状況を確認し、計画的なメンテナンスを実現
③品質保証体制の強化
④的確な営業提案を可能とするガス供給量、設備データの蓄積
⑤メンテナンス部門における緊急対応力強化

①ガストータルシステムとは
 顧客のガス使用量、ニーズに合わせた供給形態でガスを供給し、有事の際のバックアップシステムまで兼ね備えるという顧客視点でのビジネスモデル。例えば、V1装置をはじめとするオンサイト供給において、プラントの運転からガス供給、維持管理、緊急時のバックアップまで、どんなときも決してガスを切らさない、トータルでガスの安定供給を保証する仕組み。

②V1装置とは
 エア・ウォーターが1983年に独創的な発想と技術力で生み出した、高純度窒素ガス発生装置。今日では製造能力や酸素ガス発生装置など様々なバリエーションで顧客の要望に応える。

③VSUとは
 エア・ウォーターは2004年、V1装置で培った小型ガス発生技術を用い、かつてない高効率小型液化酸素・窒素製造装置VSUを開発した。以来、全国12ヵ所にVSUを設置し、より地域に密着した液化ガスの安定供給を可能にするとともに、タンクローリーによる液化ガスのバックアップ供給体制を確立した。